南京町

横浜中華街、長崎新地中華街とともに「日本三大中華街」に数えられるのが神戸の南京町。東の「長安門」、西の「西安門」、南の「海栄門」(南楼門)を入口とする東西約200m、南北110mあまりの商店街で、中華料理店や中華食材店、中国の雑貨を集めた店が集まっています。華僑の活躍、開港の歴史を今に伝える貴重な場所でもあるのです。

神戸開港を支えた華僑が生んだチャイナタウン

明治元年に神戸が開港し、外国人用の居留地が設けられたが日本と清国との間に通商条約が結ばれていなかったため、華僑(かきょう)は居留地内に住むことができず、その西側に居住しました。

当時通訳としても貴重な存在だった華僑は、神戸の国際化への基礎を担っていたのです。
当初は、料理屋、洋服屋、豚肉屋、漢方店などが軒を連ねていましたが、今では中華料理や中華食材、雑貨の店が並んでいます。

かつては横浜も神戸もともに南京町でしたが、現在では「南京町」は南京町商店街振興組合(神戸)の登録商標となっています。

春節祭(旧暦の元日前後=1月中旬〜2月中旬頃)、中秋節(旧暦の十五夜・8月15日前後=9月中旬〜10月中旬頃)が注目の行事。

神戸開港時に華僑が大活躍!

「水があるところに華僑があり、ヤシの木があるところの下に華僑がある」という諺(ことわざ)があるほど、世界の津々浦々に進出する華僑。
世界の華僑の数は台湾、香港、マカオを除いて2000万人といわれています。

1868(慶応3)年に神戸が開港すると、必要になったのは、欧米人の生活習慣を知り尽くした華僑の存在。
すでに長崎・出島に暮らしていた華僑が、まずは神戸で通訳などで活躍します。
アワビを干すという習慣も日本にはなかったのですが、神戸の華僑は日本人に干しアワビを教え、日本の貿易を支えたのです。

通訳としては、英語を漢字に変換して日本人に伝えることもあったそう。
幕末から明治初めの貿易は華僑がまさに外国との架橋(架け橋)だったのです。

ちなみに華僑(かきょう/ホワチアオ)は中国籍の国籍を保有する人。
華人(かじん/ホワレン)というのは他国へ行って、その国の国籍を取得した人。
華裔(かえい/ホワイー)というのは、祖先が中国人という人。つまり、華僑でも華人の子供で2世、3世といった人は華裔ということになります。

華僑の多い国BEST15

1. インドネシア 767万人
2. タイ 706万人
3. マレーシア 639万人
4. 米国 346万人
5. シンガポール 279万人
6. カナダ 136万4000人
7. ペルー 130万人
8. ベトナム 126万人
9. フィリピン 115万人
10.ミャンマー 110万人
11. ロシア 100万人
12.韓国 70万人
13.オーストラリア 69万人
14.日本 52万人
15.カンボジア 34万人
(2012年9月28日、英大衆紙『ザ・サン』による)

南京町
名称南京町/なんきんまち
Nankinmachi(Kobe Chinatown)
所在地兵庫県神戸市中央区元町通1
関連HP南京町商店街振興組合公式ホームページ
電車・バスでJR元町駅・阪神本線阪神元町駅から徒歩5分
ドライブで阪神高速道路神戸線京橋出口から約1.6kmでメリケンパーク駐車場
駐車場メリケンパーク駐車場(630台)、三宮中央通り駐車場(488台)、市営三宮駐車場(1084台)/有料
問い合わせ南京町商店街振興組合 TEL:078-332-2896/FAX:078-332-2897
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

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