兵庫県西宮市、JR福知山線の複線化の弊害になった武庫川渓谷沿いの路線(生瀬駅〜武田尾駅)をトンネル化し、廃線にしたことで、渓谷沿いに続く4.7kmの廃線跡がJR福知山線廃線敷として平成28年に開放。自己責任ということになっていますが、比較的に整備された廃線跡をハイキングすることができます。
全長4.7km、所要2時間の廃線跡歩き
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ハイキングの起点となるのはJR福知山線の生瀬駅または、武田尾駅。
生瀬駅を起点とした場合は、徒歩15分で廃線敷入口(入口近くに仮設トイレあり)。
名塩川橋梁、姥ヶ懐川橋梁、北山第一トンネル(319m)、北山第二トンネル(413m)、溝滝尾トンネル(149m)、第二武庫川橋梁、長尾山第一トンネル(306m)、長尾山第二トンネル(147m)、長尾山第三トンネル(91m)とトンネルと橋梁が連続し、武田尾駅側の廃線敷入口に到達します(廃線敷入口〜武田尾駅は徒歩15分)。
全長4.7km、所要2時間のハイキングコースで、途中にはトイレ、売店などはないので注意が必要。
ペットの同伴、自転車、ランニングも不可です。
駐車スペースが少ないので、公共交通機関の利用を。
トンネル内には照明はなく、真っ暗なため、懐中電灯やヘッドライトが必要です。
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明治32年1月25日に開通の阪鶴鉄道が前身
JR福知山線の廃線となった道場駅〜生瀬駅間は、明治32年1月25日、阪鶴鉄道(はんかくてつどう=阪神側の尼崎と舞鶴を結んだ鉄道で、明治40年に国有化)の有馬口駅(生瀬駅)〜三田駅間の延伸で開業した区間。
『阪鶴鉄道国有有之件ニ付禀請』にも「阪鶴鉄道ハ本邦中央ノ脊髄タル嶮峻(けんしゆん)ナル六甲山を横断シ、大小十九の隧道ヲ有スル山間鉄道ニシテ、其建築ノ困難多費ナルヘキハ多言ヲ俟タスシテ明ラカナ」と記され、山間鉄道として多くの困難を克服して開業したことがよくわかります。
なかでも最難関工区間は道場駅〜生瀬駅間で、最急勾配は1000mで14.3mの高度差がある14.3‰(パーミル)で、武庫川渓谷沿いに貫通した隧道(トンネル)と橋梁で克服しています。
玉瀬山中の墓地には、工事で亡くなった工夫の墓も残されています。
なお、阪鶴鉄道が明治32年に購入したSLは、西武鉄道7号蒸気機関車として東京都品川区東品川3丁目の東品川公園に静態保存されています。
JR福知山線廃線敷 | |
名称 | JR福知山線廃線敷/じぇいあーるふくちやませんはいせんじき |
所在地 | 兵庫県西宮市塩瀬町 |
関連HP | にしのみや観光協会公式ホームページ |
電車・バスで | JR生瀬駅・西宮名塩駅から徒歩15分、武田尾駅から徒歩8分で廃線敷入口 |
駐車場 | なし |
問い合わせ | 西宮観光協会 TEL:0798-31-7821/FAX:0798-31-7820 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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