厳島神社

厳島神社

日本三景のひとつ安芸(あき=広島県西部の旧国名)の宮島にある厳島神社(いつくしまじんじゃ)は、社伝によれば推古元年(593年)創建と伝えられる古社。久安2年(1146年)に平清盛が現在の海に浮かぶような社殿の造営を行なっています。世界文化遺産「厳島神社」の登録エリアは、古代崇拝の名残を残す弥山(みせん)などを含める431.2ha。

寝殿造りの粋を際めた荘巌華麗な建築美に注目!

厳島神社
厳島神社 空撮境内図

平清盛が社殿を海に浮かぶように構築したのも、宮島(厳島)自体が神聖視されていたからだと推測できます。

平清盛の社殿創建後、たびたび火災にあい、現在の社殿は厳島合戦(毛利元就と陶晴賢の間で行なわれた合戦)後の元亀2年(1571年)、毛利元就が創建当時の建築様式を忠実に守り再建したもの。

寝殿造りを取り入れた切妻両流造りの本殿から海に向って、拝殿、祓殿、高舞台、平舞台が造られ東西に回廊が巡らされています。
朱塗りの美しい社殿は、満潮時には回廊付近まで海水が達し、まさに海に浮かぶような雰囲気に。
さらに大潮のときには社殿がぷかぷかと浮かんでしまうため、重石(おもし)を置いてそれを防ぐという大胆な設計。

大鳥居も満潮時には海中にそびえ立ちますが、礎石に載せているだけ。
つまりは鳥居自体の重みで立っているのです。

海に浮かぶ寝殿造りの社殿や200m沖に建つ大鳥居は、宮島のシンボルともなっています。

厳島神社の社殿や宝物は国宝や重要文化財に指定され、周囲の海や弥山原始林を含めて世界文化遺産に登録されています。

琵琶湖に浮かぶ竹生島の都久夫須麻神社(竹生島神社)、江の島の江島神社とともに日本三大弁天にも数えられています。

厳島神社
名称厳島神社/いつくしまじんじゃ
所在地広島県廿日市市宮島町1-1
関連HP厳島神社公式ホームページ
電車・バスでJR宮島口駅からJR連絡宮島航路または松大観光船で10分、宮島桟橋下船、徒歩15分
ドライブで山陽自動車道廿日市ICから約4.7km。または、大野ICから約5kmで宮島口
駐車場宮島口市営駐車場(166台/有料)・もみじ本舗駐車場(500台/有料)
問い合わせ厳島神社 TEL:0829-44-2020/FAX:0829-44-0517
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
日本三景

日本三景とは!?

寛永20年(1643年)に刊行された林春斎(はやししゅんさい/林羅山の三男・林鵞峰)の『日本国事跡考』の陸奥国のくだりで、松島、丹後・天橋立、安芸・宮島(原文は厳島)を卓越した三つの景観(原文は「三處奇觀」)としたのが、日本三景の始まり。松

地御前神社

地御前神社

広島県廿日市市、宮島の対岸にあり、かつては海岸だった場所に厳島神社の外宮(摂社)として造営された古社が、地御前神社(じごぜんじんじゃ)。古来、厳島(宮島)は島全体が聖地とされ、人が住むことを禁じられてきたので、厳島の遙拝のために地御前神社が

日本三大弁天

日本三大弁天とは!?

七福神にも数えられる弁才天(弁財天)。弁天様として親しまれますが、もともとは仏教の守護神。日本三大弁天も寺と神社がセットの宝厳寺・竹生島神社(滋賀県・竹生島)、大願寺・厳島神社 (広島県・厳島)、そして明治初年の神仏分離で寺から神社に変わっ

厳島神社

【知られざるニッポン】vol.49 平清盛が考えた!? 奇想天外な厳島神社の設計

中世の日本を代表する建築物といえば、その筆頭が安芸の宮島(広島県廿日市市)にある厳島神社。世界文化遺産にも登録される厳島神社は、仁安3年(1168年)頃、出家後に日宋貿易の拡大を図る平清盛が現在と同様の社殿を造営したもの。奇抜で大胆な設計思

宮島清盛まつり

第21回春を呼ぶ宮島清盛まつり|廿日市市|2025

2025年3月23日(日)13:00〜15:00、広島県廿日市市で『第21回春を呼ぶ宮島清盛まつり』が行なわれます。宮島の繁栄の礎を築いた平清盛(たいらのきよもり)の威徳を偲び、「平家一門の嚴島神社参詣行列」をモチーフとしたのが『春を呼ぶ宮

厳島神社・大鳥居

厳島神社・大鳥居

安芸(あき=元・広島県西部)の宮島に鎮座する厳島神社は、社伝によれば推古元年(593年)創建という古社。海に浮かぶような現在の社殿配置は、久安2年(1146年)に平清盛が造営を行なっています。社殿から200m沖に建つ大鳥居は、宮島のシンボル

厳島神社・門客神社

厳島神社・門客神社

国宝に指定される厳島神社(いつくしまじんじゃ)の御本社。奥から本殿、拝殿、祓殿という構造で、祓殿の先に大鳥居側に突き出すように平舞台が配されています。その平舞台の突端、海側左右に配されているのが門客神社(まろうどじんじゃ)。本殿側から見て左

厳島神社・楽房

厳島神社・楽房

厳島神社の御本社の海側に突き出した、平舞台と高舞台。その東西の両脇に配されたのが楽房(がくぼう)。本殿側から見て右手が右楽房、左手が左楽房。高舞台で舞われる舞楽には2つの流れがあり、インドで発祥し唐から伝わった『蘭陵王』(中国・北斉の皇族・

朝座屋

厳島神社・朝座屋

世界文化遺産に登録される厳島神社には、国宝や重要文化財の社殿が数多く、なかには見逃しがちな場所も。東廻廊、国宝の客神社(まろうどじんじゃ)を過ぎた所にあるのが朝座屋(あさざや)。神仏習合の江戸時代には社家(しゃけ=世襲している神職家)・供僧

厳島神社・反橋

厳島神社・反橋

世界文化遺産に登録される厳島神社。国宝に指定される西廻廊へと渡る橋が反橋(そりばし)。名前の通りで太鼓橋で、往時は天皇からの使者(勅使)だけが許されたことから勅使橋とも呼ばれています。とても渡れるような形状ではないので、中央に階段を設けて渡

厳島神社・客神社

厳島神社・客神社

世界文化遺産登録の厳島神社参拝は、入口を入ると国宝・東廻廊ですが、すぐあるのが客神社(まろうどじんじゃ)。本殿、幣殿、拝殿、祓殿とあるのも御本社と同じなので、御本社と間違える人がいるほど。建物は鎌倉時代の仁治2年(1241年)再建ですが平清

厳島神社・能舞台

厳島神社・能舞台

永禄4年(1561年)に大鳥居を再建した毛利元就(もうりもとなり)は、永禄11年(1568年)、観世太夫を招き、仮の能舞台を海中に設けて、能を奉納しています。現存する能舞台は江戸時代前期に広島藩主・浅野綱長が改築したもの。台風により倒壊しま

厳島神社・廻廊

厳島神社・廻廊

プカプカと海に浮くという奇抜な構造の安芸の宮島・厳島神社。海(北西側)に向かって建つ御本社(本殿・拝殿・幣殿)の東西に配されているのが、周囲の社殿とともに国宝に指定される廻廊。東側廻廊は47間(ま=柱と柱の間の数で、1間は2.4m)、西廻廊

厳島神社・高舞台

厳島神社・高舞台

宮島に鎮座する世界文化遺産に登録の厳島神社。その御本社・祓殿前にあるのが国宝の高舞台。その名の通り、周囲の平舞台から一段高くなった場所で、神様に奉納される舞楽が舞われる場所。黒漆塗りの基壇に朱塗りの高欄をめぐらし、前後に階段を設けた舞台では

厳島神社・平舞台

厳島神社・平舞台

厳島詣(いつくしまもうで)の中心、厳島神社・御本社(国宝の本殿・拝殿・祓殿)の前、シンボルの大鳥居を眺める海側に配されているのが平舞台で国宝。その名の通り、フラットな舞台で、寝殿造りでいえば庭にあたる部分で、広さは167.6坪(553平方メ

厳島神社・本殿

厳島神社・本殿

宮島に鎮座する世界文化遺産に登録の厳島神社(いつくしまじんじゃ)。現存する本殿は、元亀2年(1571年)、毛利元就(もうりもとなり)が改築したもので、国宝。本殿に祀られるのは、市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)、田心姫命(たごりひめのみこ

世界遺産から世界遺産へ、世界遺産を結ぶ「世界遺産航路」が人気!

世界遺産から世界遺産へ、世界遺産を結ぶのがアクアネット広島の「ひろしま世界遺産航路」。平和公園(原爆ドーム)と宮島(厳島神社)を最短時間(45分)で結ぶ高速船で、訪日外国人環境客も注目のルートです。原爆ドームに近い、元安橋の下「もとやす桟橋

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!

よく読まれている記事

こちらもどうぞ