国道244号標津の直線道路

網走と根室を結ぶ国道244号。北見と根室の支庁境に位置するのが知床山系南端(斜里岳までを知床連山とする考え方もありますが)の根北峠(こんぽくとうげ)です。国道は根北峠から標津市街へと下りますが、その途中にあるのが国後島を眺める10kmの直線道路。「標津十景」にも選ばれる直線道路です。

「標津十景」にも選ばれる直線道路

根北峠越えの道は、明治18年開削という歴史ある道。
清里峠を通る斜里山道に代わる新しい道として「新斜里山道」と呼ばれました。

ただし、このルートは、秘湯・川北温泉を経由する忠類越(ちゅうるいごえ)といわれる江戸時代からの古道。
古道は現在の国道よりも南側の山中を抜けています。

直線道路は斜里富士に向かう「山当て道路」!?
現在の国道244号を海岸側の伊茶仁(イチャニ=アイヌ語で鮭の産卵場の意)から根北峠を目指すと、ほぼ正面に斜里岳がそびえているので、この道路も道東の開拓道路に多い、「山当て道路」のひとつと言えるかもしれません。

「山当て道路」は、地域を開発するときに目印となる山に向かって敷いた道路(基線)のこと。
明治政府が北方の守りを固めるため、最新の測量技術、機器もない条件のなか、原野、原始林に道を開削する時、時間短縮を目的に、「山当て」を行なったのです。

関東各地に富士山への山アテ道路が現存しますが、オホーツク富士、斜里富士と呼ばれる斜里岳も山当てに使われたのかもしれません。
実際に標津町では武佐岳(1005.2m)に直進する「山当て道路」と推測できる道路もあるので、開拓時代の道路建設には欠かせないスピードアップの術だったのかもしれません。

国道244号標津の直線道路
名称 国道244号標津の直線道路/こくどうにひゃくよんじゅうよんごうしべつのちょくせんどうろ
所在地 北海道標津郡標津町川北
ドライブで 根室中標津空港から約18km
駐車場 なし
問い合わせ 標津町観光協会 TEL:0153-82-2131/FAX:0153-82-1787
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

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