魹ヶ埼灯台

本州最東端の岬、魹ヶ崎に立つ魹ヶ埼灯台(とどヶ埼灯台)。秘境である重茂半島の魹ヶ崎には、明治35年に灯台が初点灯。終戦間際に被災し、現在の灯台は昭和25年に再建された2代目です(内部の見学は一般公開日以外は不可)。三陸復興国立公園のエリア内で、日本の灯台50選のひとつ。

本州最東端の岬、魹ヶ崎に建つ白亜の灯台

姉吉側の灯台入口
断崖の上には田中キヨさんの記念碑が

塔高33.72m、光達距離は20.5海里(約38km)。

映画『喜びも悲しみも幾歳月』(監督:木下惠介監督、主演:佐田啓二・高峰秀子)は、魹ヶ埼灯台で7年間を過ごした灯台守・田中績(たなかいさお)さんの妻である田中キヨさんの手記「海を守る夫とともに二十年」(『婦人倶楽部』、昭和31年)をもとに製作され、大ヒットした映画、そして主題歌です。

田中績さんが24歳のとき灯台守の初任地として自ら希望して赴任したのが、当時「最も不便な場所」といわれたこの魹ヶ埼灯台。
魹ヶ埼灯台近くの岩にはめ込まれた銅板の「本州最東端の碑」の文字は、妻・キヨさんの筆。

魹ヶ埼灯台へは車で入ることはできないので、アプローチは岩手県道41号(重茂半島線=幅員狭小・急勾配・急カーブ区間が連続するので運転に注意)沿いの姉吉キャンプ場の駐車場から徒歩で。
片道3.8kmの遊歩道が整備されており、徒歩1時間10分ほど。とくに最初の30分ほどは急な上りが連続するので、ペース配分にご注意を。
未舗装のトレッキング的なコースなので、足回りはしっかりと。

往復で3時間弱は必要となります。

『本州最東端訪問証明書』を入手しよう!

灯台周辺の黒っぽい岩石は、1億3000万年前頃(中生代白亜紀)に広く北上山地で起こった火山活動の産物です。

灯台の一般公開は年2回ほど。
日時は宮古市産業振興部観光港湾課もてなし観光係などに問い合わせを。
なお、姉吉地区は現在震災から復興中。

本州の果てをすべてまわる「本州四端踏破ラリー」の参加灯台で、(一社)宮古観光文化交流協会では『本州最東端訪問証明書』を制作。
宮古駅前観光案内所、浄土ヶ浜レストハウス、浄土ヶ浜パークホテル、休暇村陸中宮古、宮古市重茂出張所などで販売しています。

ちなみに本州最北端は、大間崎(青森県大間町)、本州最南端は潮岬(クレ崎/和歌山県串本町)、そして本州最西端は毘沙ノ鼻(山口県下関市)で、岩手県宮古市、山口県下関市、和歌山県串本町、青森県大間町で構成する本州四端協議会が、地域活性化のために『本州四端踏破ラリー』を実施しています。

本州最東端訪問証明書

毘沙ノ鼻

2017年7月18日

大間崎

2017年7月11日

クレ崎

2017年6月18日
映画『喜びも悲しみも幾歳月』原作は、魹ヶ埼灯台から始まる物語

海上保安庁職員だった田中績さんは灯台守として、昭和8年の魹ヶ埼灯台を皮切りに、サハリンのモネロン島(海馬島)から長崎・五島列島の南西の女島に至る8ヶ所の灯台に赴任。千葉県の勝浦灯台を最後に定年となり、妻・キヨさんが手記「海を守る夫とともに二十年」を書いた時代に赴任した塩屋埼灯台のあるいわき市で退職後に暮らしました。最初から夫に付き添った妻・キヨさんは夫の仕事を支え、10人の子どもを育てています。

ロケの困難さなどから映画の中に魹ヶ埼灯台は登場しませんが、映画では石狩灯台が舞台になっている出産時のエピソードなどは、実際には魹ヶ埼灯台赴任時のものです。

魹ヶ埼灯台
名称 魹ヶ埼灯台/とどがさきとうだい
所在地 岩手県宮古市重茂第9地割大平
関連HP 宮古市公式ホームページ
電車・バスで JR宮古駅から岩手県北バス重茂行きで1時間20分、姉吉下車、徒歩1時間30分
ドライブで 東北自動車道盛岡南ICから約117kmで姉吉キャンプ場。姉吉キャンプ場から徒歩1時間10分
駐車場 姉吉キャンプ場(50台/無料)
問い合わせ 宮古市産業振興部観光港湾課 TEL:0193-62-2111/FAX:0193-63-9120
本州最東端・魹ヶ崎

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