奈良の大仏と呼ばれ親しまれている、銅造の盧舎那仏坐像(るしゃなぶつざぞう)。華厳経の本尊で、743(天平15)年に聖武天皇の勅願により鋳造されたもの。東大寺の本尊にもなっています。752(天平勝宝4)年の開眼で国宝に指定されています。像高14.98m、台座高3.05mで、掌は1.48mで、重さは380tと推定。日本三大仏。
東大寺の本尊となる巨大な盧舎那仏
『続日本紀』によれば、740(天平12)年2月、河内国大県郡の知識寺(ちしきじ/現・大阪府柏原市太平寺2丁目にあった古代寺院)に参詣した聖武天皇は、『華厳経』の教えに従い盧舎那仏が造立され、信仰されている姿を見て、盧舎那大仏造立を決心。
仏教を国家鎮護の中心に考えていた聖武天皇ですが、諸国に建立した国分寺、国分尼寺の中心的な存在としての金光明四天王護国之寺(きんこうみょうしてんのうごこくのてら=東大寺)に、国民を統括するシンボル的な大仏(盧舎那仏)の造立を考えたのです。
743(天平15)年10月15日に近江国・紫香楽宮(しがらきのみや/現・滋賀県甲賀市信楽町にあった都)で発せられた「大仏造顕の詔」には、『華厳経』の教え、盧舎那仏造立の意味合いも説かれていました。
752(天平勝宝4)年4月に「大仏開眼供養会」が執り行なわれ(開眼導師はインド出身の僧・菩提僊那が担当)、天平文化が花開いてゆくのです。
頭部の螺髪(らほつ=丸まった髪の毛)はこれまで平安時代編纂の『東大寺要録』に記された966個とされてきましたが、近年のレーザー光解析により、実数は492個(うち9個は欠損)であることが判明しています。
毎年、大晦日から元旦に正面唐破風(からはふ)下の観相窓が開かれ、大仏尊像を拝顔できます。
東大寺は「古都奈良の文化財」として世界遺産に登録。
江戸時代の造立で国の重要文化財です。
堂内北西と北東の隅には四天王(持国天・増長天・広目天・多聞天)のうちの広目天像と多聞天像を安置しています。
四天王のうち残りの2体(持国天、増長天)は未完成に終わり、両像の頭部のみが大仏殿内に置かれています。
東大寺・大仏 | |
名称 | 東大寺・大仏/とうだいじ・だいぶつ Todai-ji Temple, Great Buddha |
所在地 | 奈良県奈良市雑司町406-1 |
関連HP | 東大寺公式ホームページ |
電車・バスで | 近鉄奈良線・JR奈良駅から奈良交通バス市内循環で4~7分、大仏殿春日大社前下車、徒歩5分 |
ドライブで | 京奈和自動車道木津ICから約6.4kmで県営登大路南駐車場 |
駐車場 | 県営奈良登大路自動車駐車場(275台/有料) 春秋の観光シーズンには県営奈良大仏殿前自動車駐車場は観光バス専用となるため注意を |
問い合わせ | 東大寺寺務所 TEL:0742-22-5511/FAX:0742-22-0808 |
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