野口王墓(天武・持統天皇陵)

野口王墓(天武・持統天皇陵)

奈良県高市郡明日香村にある飛鳥時代(古墳時代終末期)の687年(持統天皇元年)に築かれたと推測される八角墳が、野口王墓(のぐちのおうのはか)。宮内庁から檜隈大内陵(ひのくまのおおうちのみささぎ)として、天武・持統天皇陵に治定されています。

天武天皇と、后の持統天皇が眠る八角墳

『日本書紀』に、天武天皇の死後、687年(持統元年)10月壬子条に「始めて大内陵を築く」との記事があり、688年(持統2年)11月に埋葬されたという陵が、野口王墓。
大宝2年(702年)に崩御した女帝・持統天皇(天武天皇の皇后)は、大宝3年(703年)12月癸酉、飛鳥岡にて火葬され、同月壬午に夫である天武天皇が眠る「大内山陵に合葬」されたとされることから、天武・持統天皇陵となっています。
天武天皇は飛鳥京(飛鳥浄御原宮)を築き、死後に一旦頓挫した造営工事は、持統天皇に受け継がれています。
天武天皇は飛鳥浄御原令(あすかきよみはらりょう)を制定し、律令時代が幕を開けます。

『阿不幾乃山陵記』(あおきのさんりょうき)には、文暦2年(1235年)に天皇陵の石室が村人によって盗掘されたこと、墳形が八角形であること、さらに石室の中の構造や副葬品の様子まで記されています。
盗掘された記録が明治13年に発見され、野口王墓が天武・持統天皇の墓であることが明確になったのです。
宮内庁の治定が信頼できる数少ない古代の陵墓のひとつ。

外見は円墳のようですが、八角墳と推測できます。
宮内庁が管理する天皇陵であるため、立ち入りは不可で、天武天皇・持統天皇檜隈大内陵拝所が設置されています。

八角墳誕生は、天皇の権力と律令制が強化された証拠

八角形の墳墓は、天皇が即位式でのぼる高御座(たかみくら)と同じで、八角形が天下八方の支配者にふさわしいという思想で築かれたと推測できます。

天皇陵は、前方後円墳→ →大型円墳・大型方墳(石舞台古墳、推古天皇陵)→上八角下方墳→八角墳と移り変わり、古墳が小規模化されながら天皇家だけに許された八角形墳の誕生は、飛鳥時代に天皇の権力と律令制が強化されたことを示しているのです。

明日香村では大宝律令を完成させた文武天皇の真陵ではないかと推測される中尾山古墳、発掘調査で第37代斉明天皇(第35代皇極天皇)の陵である可能性が高まった牽牛子塚古墳(けんごしづかこふん)も八角墳です。

野口王墓(天武・持統天皇陵)
名称 野口王墓(天武・持統天皇陵)/のぐちのおうのはか(てんむ・じとうてんのうりょう)
所在地 奈良県高市郡明日香村野口45
関連HP 飛鳥観光協会公式ホームページ
電車・バスで 近鉄飛鳥駅から徒歩15分
ドライブで 西名阪自動車道郡山ICから約21km
駐車場 5台/無料
問い合わせ 飛鳥観光協会 TEL:0744-54-3240/FAX:0744-54-2362
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

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