岡山県高梁市成羽町の北部に位置する吹屋(ふきや)は、江戸から大正末期まで、銅と赤色の顔料として知られるベンガラ(紅殻)で繁栄した町。中野地区にある広兼家も銅山とベンガラの原料・緑礬(ローハ=鉄鉱石を焼いて生成)の製造で富を築いた豪商。映画『八つ墓村』のロケ地にもなっています。
映画『八つ墓村』のロケにも使われた大庄屋
石州瓦とベンガラ漆喰壁の赤い町並みが残される一帯は、岡山県のふるさと村、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されて景観が保護されています。
城郭のような佇まいの広兼邸は、現在は半分ぐらいが地下に埋まってしまっていますが、もとは高さ30mもの石垣をめぐらせた大豪邸。
山の斜面には江戸末期に建てられた母屋、3棟の土蔵、楼門、長屋などがそびえ、庭には水琴窟も配されています。
部屋数も56を数えるという大邸宅です。
現在、高梁市が管理し、内部の一部が公開されています。
昭和52年の映画『八つ墓村』(野村芳太郎監督・渥美清主演/松竹映画)、平成8年の映画『八つ墓村』(市川崑監督・豊川悦司主演)では、ストーリーの中心となる田治見家本家の屋敷として使われています。
『八つ墓村』の原作者・横溝正史の両親の出身地が岡山県で、戦時下に疎開した時の生活体験などが執筆の背景にあります。
岡山県西加茂村(現・津山市加茂町)で昭和13年に発生した津山事件を題材に、八つ墓村という村名も、真庭郡八束村(やつかそん=現・真庭市蒜山)をイメージしているのだとか。
広兼邸は、日本遺産「『ジャパンレッド』発祥の地~弁柄と銅の町・備中吹屋~」の構成資産にもなっています。
広兼邸 | |
名称 | 広兼邸/ひろかねてい |
所在地 | 岡山県高梁市成羽町中野2710 |
関連HP | 高梁市観光協会公式ホームページ |
電車・バスで | JR備中高梁駅から備北バス吹屋行きで1時間、終点下車、徒歩30分。または、JR備中高梁駅からタクシーで40分 |
ドライブで | 中国自動車道新見ICから約24km |
駐車場 | 35台/無料 |
問い合わせ | 広兼邸 TEL:0866-29-3182 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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