「浅間山北麓ジオパーク」の絶景スポット 浅間六里ヶ原休憩所(群馬県嬬恋村)

プリンスホテルグループの管理する峰の茶屋〜三原を結ぶ「鬼押ハイウェー」(16km)。峰の茶屋から鬼押ハイウェーを走るとすぐに荒涼たる浅間山山麓の光景が車窓に展開します。ここが六里ヶ原で、プリンスホテルの経営する絶景のレストスポットがあります。ここが「浅間山北麓ジオパーク」の火山観察に絶好のスポットにもなっています。/現在はキャンプ場として運営されています。

六里ヶ原という名前ですが実際には4kmほどの火山荒原

有料道路「浅間-白根火山ルート」は、長野・群馬県境の峰の茶屋から鬼押出し園を経て万座温泉を結ぶ全長39kmのドライブウェイです。前半が「鬼押ハイウェー」、後半が「万座ハイウェー」で、軽井沢プリンスホテル、鬼押出し園、嬬恋プリンスホテル、万座プリンスホテルを結ぶ観光ルートにもなっています。

注目は、六里ヶ原。浅間山の火山活動(岩屑なだれ、吾妻火砕流、溶岩流)によって誕生した荒涼たる火山荒原が六里に渡って展開するという意味です。
1里は半時(約1時間)歩いた距離。豊臣秀吉が36町里(≒3927m)に基づく一里塚を導入し、慶長9年(1604年)に徳川家康が徳川秀忠に命じて全国に敷設させた一里塚はこれを踏襲しているので1里=4km弱という計算に。その計算でいけば六里ヶ原は24kmということになりますが、「鬼押ハイウェー」の全長は16kmなので、ちょっとオーバーな数字です。

峰の茶屋から浅間山の寄生火山・小浅間山(1655.2m)の山麓を抜けて、長野・群馬県境まで1.5kmほど(料金所まで400m)。さらに鬼押出し園まで2.5kmほど。つまり、最大でも一里ヶ原が正確なところです。

県境から700mほど走った標高1395.2mのポイントに位置するのがプリンスホテル直営の「浅間六里ヶ原休憩所」。ワンちゃん広場を併設するほか、休憩所内にはレストラン「ブルーベリー」(2016年は営業休止)、嬬恋村の物産を販売する物産コーナー、売店が営業。

浅間六里ヶ原休憩所レストラン「ブルーベリー」
レストラン「ブルーベリー」の店内。周辺には天然のブルーベリー(浅間ブドウ)も生育

溶岩流末端の「末端崖」を眺望

「浅間六里ヶ原休憩所」から「鬼押ハイウェー」を300mほど万座方面に走った先には国の天然記念物「浅間山溶岩樹型」もあります。
この「浅間山溶岩樹型」、溶岩でできていません。天明3年(1783年)の浅間山噴火の時に流出した火砕流が残した「吾妻火砕流堆積物」で誕生した樹型です。
「火砕流樹型」などと呼ばれるべきものなのかもしれません。

このあたりは、地表に近い上部の溶岩流は天仁元年(1108年)の浅間山の噴火で流出した「上の舞台溶岩流」、その下にある溶岩流が5世紀の浅間山噴火による「下の舞台溶岩流」という多層構造になっています。さらに「上の舞台溶岩流」の表面が火山灰や土砂で覆われ、広大な火山荒原になったのが六里ヶ原というわけです。
さらに北側には天明3年(1783年)の大噴火による鬼押出し溶岩流(全長5kmkm、最大幅2km)もあって、溶岩流の展望台ともいえる場所。
溶岩流の末端はそれぞれ末端崖と呼ばれる急な崖。
「浅間六里ヶ原休憩所」は、そんな末端崖を眺めるビュースポットにもなっているのです。

ちなみに、群馬県の嬬恋村・長野原町の2自治体では、「浅間山北麓ジオパーク」を日本ジオパーク加盟を申請中です。

浅間六里ヶ原休憩所から
標高が低い部分は樹海に向けて樹木が生育中であることも観察できます
浅間六里ヶ原休憩所【現在は「キャンプ場として運営されています】
名称 浅間六里ヶ原休憩所/あさまろくりがはらきゅうけいじょ
所在地 群馬県吾妻郡嬬恋村鎌原
電車・バスで JR軽井沢駅から西武高原バス万座・白根火山方面行きで35分、レストランブルーベリー前下車すぐ
ドライブで 鬼押ハイウエー峰の茶屋ゲートから3km
駐車場 120台/無料
問い合わせ 浅間六里ヶ原休憩所
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
鬼押出し園

鬼押出し園

2019年5月3日

 

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