埼玉県川越市、武蔵野台地の北東端に゙位置する平山城が、川越城。長禄元年(1457年)、扇谷上杉氏・上杉持朝(うえすぎもちとも)がが古河公方(足利氏)に対抗する城として太田道真・太田道灌父子に命じて築城。江戸時代には川越藩の藩庁になり、本丸御殿の一部が現存。日本100名城にも選定されています。
太田道真、太田道灌父子が築城

太田道真、太田道灌父子は川越城のほか、江戸城、岩槻城(現・岩槻城址公園=さいたま市岩槻区)も築いていますが、ともに上杉氏が北の足利氏に睨みを利かせるため。
初代の古河公方(こがくぼう)となった足利成氏(あしかがしげうじ)に対抗するため、上杉持朝が初代の川越城主となり、家老の太田道灌が江戸城を居城としました。
当時、足利氏は鎌倉から下総国・古河(現在の茨城県古河市)に拠点を移し、水上交通を掌握、勢力を伸ばしたのです。
川越城を築いた上杉持朝は、相模国の守護。
武蔵の分国化を進めるために川越に城を築き、足利氏に睨みを効かせたのです。
中世の川越城は、近世城郭の本丸、二の丸を合わせた程度の大きさでしたが、守りを重視した太田道灌らしい構えだったと推測できます。
それが「道灌がかり」と称される「連郭式縄張り」で、いずれかの曲輪(くるわ)が攻略されても、他の曲輪に拠って防戦することが可能という独立性の高い縄張りです(太田道灌の築いた江戸城も同じ縄張り)。
また、城の西に太田道真屋敷が、城の北西、新河岸川沿いに太田道灌屋敷(現・川越市志多町)が築かれていました。

戦国時代には攻防戦「河越城の戦い」を展開

文明14年(1482年)、室町幕府と古河公方は和睦、その過程で頭角を現した太田道灌を恐れた上杉定正(うえすぎさだまさ/上杉持朝の子)は太田道灌を暗殺。
こうして太田家は扇谷上杉家と離反し、上杉家では内部分裂と抗争が続き、それに足利氏が介入する事態に発展、長享の乱(ちょうきょうのらん)と呼ばれる戦乱状態が18年ほど続いています。
その結果、上杉氏は衰退し、小田原・北条早雲(ほうじょうそううん)が関東進出の機会を得ることになったのです。
北条早雲の子・北条氏綱(ほうじょううじつな)は、関東に侵入。
北条家は関東支配を目的に、4度にわたる川越城攻略戦を展開しています。
これが有名な「河越城の戦い」です。
大永4年(1524年)、江戸城を手中にした北条氏綱は、ついに天文6年(1537年)、川越城の攻略に成功。
念願かなって川越城は北条家の武蔵国支配の拠点の一つとなったのです。
天文15年(1546年)、扇谷上杉氏の上杉朝定は、長年のライバル・古河公方(足利晴氏)、さらには山内上杉氏(上杉憲政)と連合を組み、川越城を包囲しますが、北条氏康による夜襲で連合軍を撃退。これが日本三大夜戦の一つ・河越夜戦です。
本丸御殿の大広間と玄関が現存

天正18年(1590年)、豊臣秀吉による小田原攻めで、前田利家軍が川城城を奪取。
徳川家康の関東入封で、徳川氏譜代筆頭の酒井重忠が川越城に入り、川越藩が立藩されています。
川越は新河岸川(しんがしがわ)の舟運で江戸と結ばれ、川越城を中心に城下町が形成され、小江戸と称されるほどに繁栄しました。
寛永16年(1639年)、知恵伊豆といわれた松平信綱(まつだいらのぶつな)が近世的な城郭として拡張整備し、9万8000坪という巨大な城郭が誕生。
天守はなく、富士見櫓を代用天守として活用しています。
富士見櫓は、基壇の高さ51尺(15.4m)、櫓の高さも51尺(15.4m)という立派なものでした。
城主の住居は二の丸に、隠居所は三の丸にあり、家老屋敷が外郭という構造です。
幕末の嘉永元年(1848年)、松平斉典(まつだいらなりつね)が本丸御殿を造営。
これが現存する本丸御殿です。
往時には16棟・1025坪という規模でしたが、現存しているのは本丸御殿の一部(大広間と玄関)のみ。
本丸御殿の大広間が残されるのは、川越城と高知城(関連記事参照)だけという貴重なもの。
明治元年、最後の藩主である松平康英(まつだいらやすひで)が明治政府に恭順の意を示すため、堀を埋め、大半の掘割などは現存していません。
現在、城郭跡は市街化され、二の丸跡には川越市立博物館・川越市立美術館が、富士見櫓のあった三の丸跡には埼玉県立川越高等学校が建っています。
大手門は、現在の川越市役所あたりにありました。
中ノ門堀跡は、松平信綱が近世城郭へと大改修した際、西大手門側から本丸方向への敵の進入を阻むために掘られたものと推測されますが、復元整備されています(往時には堀と堀の間に中ノ門がありました)。
蔵造りの通りから、本丸に向かう途中にぜひお立ち寄りを。

| 【完全攻略ガイド】川越城 | |
| 名称 | 川越城/かわごえじょう |
| 所在地 | 埼玉県川越市郭町2-13-1 |
| 関連HP | 川越市公式ホームページ |
| 電車・バスで | 東武東上線、JR川越線川越駅、または西武新宿線本川越駅から東武バスウエスト(蔵のまち経由)で札の辻下車、徒歩10分 |
| ドライブで | 関越自動車道川越ICから約5km |
| 駐車場 | 50台/無料 |
| 問い合わせ | 川越城 TEL:049-224-6015 |
| 掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 | |






























