南砂緑道公園(都電砂町線廃線跡)

南砂緑道公園(都電砂町線廃線跡)

東京都江東区南砂2丁目にある0.13haの公園が、南砂緑道公園。昭和54年4月1日に開園した公園で、その名の通りソメイヨシノなどが植栽された緑道になっています。もともとは都電38系統(錦糸堀車庫〜亀戸駅前〜竪川通〜永代橋〜日本橋)、29系統が走った専用軌道跡(廃線跡)を緑道にしたものです。

大きくカーブして続く都電廃線跡が緑道、桜の名所に!

亀戸駅前から亀戸緑道公園〜大島緑道公園〜(この間は明治通りの歩道歩き)〜南砂緑道公園と連続する公園で、都電の専用軌道(大島緑道公園までは車道と併用部分)の廃線跡を緑道に転用したもの。
東京23区内では最長レベルとなる廃線跡歩きができるコースで、タウントレックには絶好の存在です。

南砂緑道公園に配された都電のパンダグラフ、車輪とレールをモチーフにしたモニュメントが、都電の軌道跡を物語っています。
京葉道路(水神森電停)と大島三丁目電停をつなぐ部分で、竪川通電停周辺には専用軌道部分があり、その軌道跡を公園としたもの。

都電砂町線の前身は、大正9年開業の城東電気軌道(城東電車)で(水神森までは小松川線と同じ軌道)、昭和13年4月25日には東京地下鉄道と合併し、昭和17年2月1日に東京市電気局に買収され、昭和47年に廃線になるまで都電砂町線として活躍した路線です。
城東電気軌道は、東京にあった「幻の私鉄」とも称され、錦糸堀(錦糸町駅前)を拠点に今井橋(江戸川区江戸川4丁目付近)を結ぶ私鉄として開業していますが(錦糸堀以東に私鉄を整備することで、都心と江戸川をつなごうという構想)、25年で東京市(現・東京都)に買収され、姿を消しています。

現在、南砂緑道公園となった廃線跡には、都電38系統(錦糸堀車庫〜亀戸駅前〜竪川通〜永代橋〜日本橋)が走っていました。
現在大島緑道公園となっている大島一丁目電停から南側で、都電は併用軌道となり、北砂三丁目電停、北砂二丁目電停、境川電停と、明治通りに電停が築かれていました。
葛西橋通り電停で29系統と分岐した38系統は、南砂三丁目電停の手前で明治通りを右折し、東側へ大きくカーブするように進みました。
この部分が、現在、南砂緑道公園として整備される場所で、公園の入口に南砂三丁目電停がありました。
公園に入ってすぐにガードをくぐりますが、このガードはJR越中島支線(総武本線の貨物支線/小岩駅〜越中島貨物駅)の走るガードで、往時には都電と貨物支線が立体交差していました。
ガードの名称は、城東電軌跨線ガードとなっています。

さらに歩けば第四砂町小学校電停(南砂町一丁目電停)の跡ですが、遺構はありません。
その先で緑道は大きくカーブしていますが、これは汽車製造株式会社東京製作所(現在の南砂二丁目団地)があったため、迂回しているのです。
この付近では、緑道内の歩行者専用ゾーンと自転車ゾーンが何度もクロスするので、歩行にあたっては十分な注意が必要。
大砲のモニュメントが置かれているのは、長州藩大砲鋳造場があったから。
南砂二丁目電停からは永代通り(併用軌道)を日本橋方面に進んだため、南砂緑道公園は南砂町四丁目電停跡で終点となっています。

城東地区の旅客輸送に活躍した都電38系統ですが、昭和47年11月に廃止に。
南砂緑道公園となってから桜が植栽され、現在では江東区屈指の桜の名所に変身しています。

南砂緑道公園(都電砂町線廃線跡)

都電38系統 電停一覧

錦糸堀車庫〜錦糸堀〜亀戸駅前〜水神森〜竪川通〜大島三丁目〜大島一丁目〜北砂町三丁目〜北砂町二丁目〜境川〜南砂町三丁目第四砂町小学校(南砂町一丁目)南砂町四丁目〜東陽公園〜洲崎〜木場三丁目〜木場一丁目〜富岡町〜不動尊〜門前仲町〜永代二丁目〜佐賀町一丁目〜永代橋〜新川一丁目〜茅場町〜日本橋(太字は現在の南砂緑道公園内)

南砂緑道公園(都電砂町線廃線跡)
南砂緑道公園(都電砂町線廃線跡)
名称 南砂緑道公園(都電砂町線廃線跡)/みなみすなりょくどうこうえん(とでんすなまちせんはいせんあと)
所在地 東京都江東区南砂2丁目
関連HP 江東区公式ホームページ
電車・バスで 都営地下鉄東陽町駅から徒歩5分
駐車場 周辺の有料駐車場を利用
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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