岩橋千塚古墳群

岩橋千塚古墳群

和歌山県和歌山市岩橋(いわせ)、「紀伊風土記の丘」周辺に点在する、850基を超える古墳群が岩橋千塚古墳群(いわせせんづかこふんぐん)。5世紀末から7世紀初めにかけて築造された古墳で、うち430基が国の特別史跡、13基が公開されています。国の特別史跡となるのは、和歌山県下ではここだけ。

全国でも最大級の古墳群

岩橋千塚古墳群
前山B53号墳(将軍塚古墳)の石室

古代、紀ノ川平野を支配し朝鮮出兵なども行なった、紀氏の流れ、紀伊国造(きのくにのみやつこ)など地方豪族により造られたと推測される古墳群。
朝鮮半島製の土器や武器、金・銀・銅などを使った装飾品が数多く出土し、紀氏一族の朝鮮半島などとの交流によってもたらされたものと考えられています。
紀ノ川の河口は渡来文化の流入口で、大和盆地へ通ずるルートとしても重要な役割を担っていたのです。
古墳群の西、宮地区にある日前神宮・國懸神宮(ひのくまじんぐう・くにかかすじんぐう)は、紀伊国造が祖神を祀ったと伝えられています。

岩橋山地の前山地区を中心に、花山・大谷山・大日山・寺内・井辺・井辺前山の各地区の山地全体に広く分布する古墳群で、現在確認されている古墳は前方後円墳27基、方墳4基、その他が円墳。
古墳の築造時期は古墳時代中期から後期で、そのなかでも6世紀後半が中心です。

前山地区、岩橋(いわせ)前山の山頂近くに建つ前山B53号墳は、別名「将軍塚古墳」と呼ばれる墳丘長42.5mの前方後円墳で、後円部の石室内部も見学可能。
また直径20m、高さ8mの円墳に棺をおさめた前山A46号墳(前山A地区最大の円墳)には、長さ8.8m、高さ3.4mもの横穴式石室が残され、こちらも公開されています。
岩橋山の最高地点に築かれた天王塚古墳は、墳丘長88mで和歌山県最大規模の前方後円墳。
横穴式石室は、高さ5.9mという大きなもので、全国2位の規模を誇っています。

横穴式石室には石棚や排水溝が設けてあり、また構造材としての石梁をもつ古墳が多い点に特色がありますが、これにより大きな空間を確保しています。

大日山地区の大日山(標高141.8m)の頂上には墳丘長86mの大日山35号墳があり、こちらは山頂の地形を利用してつくられた前方後円墳。

出土品などは、紀伊風土記の丘資料館に収蔵展示されています。

古墳群の一部は国の特別史跡になっていますが、和歌山県下で国の特別史跡となるのは、岩橋千塚古墳群のみです。

岩橋千塚古墳群
名称 岩橋千塚古墳群/いわせせんづかこふんぐん
所在地 和歌山県和歌山市岩橋
関連HP 和歌山市公式ホームページ
電車・バスで JR和歌山駅から和歌山バス紀伊風土記の丘行きで20分、終点下車、徒歩5分
ドライブで 阪和自動車道和歌山ICから約3.5km
駐車場 和歌山県立紀伊風土記の丘駐車場(80台/無料)
問い合わせ 和歌山県立紀伊風土記の丘 TEL:073-471-6123/FAX:073-471-6120
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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