大善寺本堂

大善寺

山梨県甲州市勝沼町、ブドウを手にした薬師如来像(秘仏)を祀ることから「ぶどう寺」とも呼ばれるのが、真言宗智山派の寺、大善寺。大善寺本堂は、正応3年(1290年)築で、山梨県では清白寺仏殿(山梨市)と2ヶ所しかない国宝建築物のひとつ。

山梨県最古の建築物は、国宝

文永7年(1270年)の火災後、弘安7年(1284年)、鎌倉幕府9代執権・北条貞時が勧進し、甲斐国(山梨県)、信濃国(長野県)の2国に棟別10文を徴収して費用に充当し、弘安9年(1286年)に立柱(りっちゅう)が行なわれ、正応3年(1290年)に完成しています。
本堂背面の両隅柱に「弘安九参月十六日」の刻銘が入り、築年が特定できることで、国宝に。

本尊・木造薬師如来(秘仏)および両脇侍像(国の重要文化財)を安置するため、薬師堂とも呼ばれています。
桧皮葺き(ひわだぶき)寄棟造り(よせむねづくり)で、鎌倉時代における密教本堂の代表例としても貴重。

本尊の薬師如来は、奈良時代の僧・行基が夢の中にブドウを手にした薬師如来が現れ、その姿を像に刻んで大善寺に祀り、行基がこの地域にブドウ栽培を伝えたと伝説的に語られていますが、現存する薬師如来像は平安時代初期の作。
それでも平安時代からブドウ(山ブドウ)の価値が認められていたことになり、甲府のブドウ文化の原点ともいえる仏像(「ぶどう薬師」)と、それを安置する本堂ということに。
本尊は5年に一度御開帳されています。

幕末の近藤勇率いる幕府軍と板垣退助の新政府軍との間の甲州勝沼の戦いでは、幕府軍が大善寺に陣を構えようとしますが、時の住職はこれを拒み、戦禍から本堂と貴重な仏像を守ることに成功(戦後の農地改革で寺地の多くを失っています)。

大善寺は、清白寺、一宮浅間神社などとともに日本遺産「葡萄畑が織りなす風景~山梨県峡東地域~」の構成資産にもなっています。

大善寺本堂
名称 大善寺本堂/だいぜんじほんどう
所在地 山梨県甲州市勝沼町勝沼3559
関連HP 大善寺公式ホームページ
電車・バスで JR勝沼ぶどう郷駅からタクシーで5分
ドライブで 中央自動車道勝沼ICから約1km
駐車場 20台/無料
問い合わせ 大善寺 TEL:0553-44-0027/FAX:0553-44-3153
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
大善寺

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