恐山賽の河原

恐山(おそれざん)は、下北半島の北部中央にある霊場。カルデラ湖である宇曽利湖(うそりこ/正式名は宇曽利山湖)を囲む地蔵岳などの外輪山は「蓮華八葉」と呼ばれています。コバルトブルーで透明度も高い宇曽利山湖の湖畔には、現在も火山活動が続く賽の河原があり、この賽の河原と恐山菩提寺が霊場の中心となっています。

荒涼たる風景が展開する霊場・恐山の奇観

古くは宇曽利山(うそりやま)と呼ばれていましたが、下北訛りで、恐山(おそれやま)に転訛し、ついに「おそれざん」と呼ばれるようになったもの。
富山県の立山(地獄谷=立山地獄)、秋田県湯沢市の川原毛地獄と並び、日本三大地獄、あるいは三大霊地(地獄三霊地)と呼ばれています。
宇曽利湖を取り囲むカルデラ(火山噴火後の陥没で生まれた巨大な凹み)の外輪山は釜臥山(かまふせやま/最高峰で標高878.6m)、大尽山、小尽山、北国山、屏風山、剣の山、地蔵山、鶏頭山の8峰で、賽の河原を取り囲む恐山山地が蓮華の葉になぞらえて「蓮華八葉」と呼ばれています。

カルデラ北側に位置する賽の河原(宇曽利湖)。
カルデラ湖を取り囲む外輪山は、この世とあの世とを隔てる役割をはたしてきたわけです。
賽の河原周辺からは硫気ガスも立ちのぼり独特な雰囲気を醸成。
地獄なのか極楽なのかも定かでないこの光景が恐山に対する畏敬の念の原風景といえるのです。

そんな恐山一帯は、「下北ジオパーク」の恐山ジオサイトとなっています。

地獄地帯の頂に立つ延命地蔵尊
宇曽利湖の湖畔にある極楽浜

活火山としての恐山の歴史

146万年前~68万年前に現在「蓮華八葉」と呼ばれるカルデラ外輪山が誕生。
カルデラ内北部、賽の河原周辺には、8万年前までに形成された火砕丘、溶岩ドーム群(剣山)が分布しています。
宇曽利山湖(恐山湖)のほとりに噴気孔や温泉が多いのはそのため。
恐山菩提寺境内にも温泉が湧き(恐山温泉)、入浴施設も用意されています。
有史以来の噴火の記録はなく、最新の噴火は2万年前に起こった水蒸気噴火です。

賽の河原周辺には、風車も数多く設置されていますが、火山性ガスの危険を避けるため、風下に入らないための工夫なのだとか。

恐山賽の河原
名称恐山賽の河原/おそれざんさいのかわら
所在地青森県むつ市田名部宇曽利山
関連HPむつ市観光協会公式ホームページ
電車・バスでJR下北駅から下北交通バス大畑行きで10分、むつバスターミナル下車、下北交通バス恐山行きで乗り換えて33分、終点下車、すぐ
ドライブで東北自動車道青森ICから約120km
駐車場500台/無料
問い合わせむつ市観光協会 TEL:0175-23-1311
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
宇曽利山湖(宇曽利湖)

宇曽利山湖(宇曽利湖)

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