是川石器時代遺跡

青森県八戸市是川中居にある縄文時代の遺跡群が是川石器時代遺跡(これかわせっきじだいいせき)。縄文時代晩期中心の中居遺跡、前期・中期の一王寺遺跡、中期の堀田遺跡の総称が是川石器時代遺跡(是川遺跡)で、国の史跡、世界文化遺産「北海道・北東北の縄文遺跡群」の構成資産になっています。

中居遺跡を中心とする縄文時代の貴重な集落跡

是川石器時代遺跡
是川石器時代遺跡の全景/JOMON ARCHIVES
是川石器時代遺跡
土坑墓と赤染人骨/JOMON ARCHIVES(八戸市教育委員会撮影)

新井田(にいだ)川沿いの標高10m~44mの台地に広がる縄文時代の集落遺跡。
サケ・マス類が遡上する新井田川、そして周辺には落葉広葉樹の森と、定住生活にはもってこいの生活環境だったのです。

その中心的な遺跡が縄文時代晩期の中居遺跡では、集落は小規模ですが、居住域、墓域、捨て場、配石や盛土など多様な遺構が見つかっています。
中居遺跡の集落一帯は、漆液を採取するためにウルシを栽培するなど有用植物を中心に管理され、人工林から里山を経て狩場である自然林へと繋がるような、同心円状の生態系を生み出していました。
沢地ではトチのアク抜きをするための水さらし場も見つかっています。

低湿地の捨て場からは、精巧な土器や土偶をはじめ、弓やヤスなどの木製品や、漆が塗られた弓や櫛、腕輪、容器などの漆製品が多数発見されていますが、出土品(中居遺跡出土の963点は国の重要文化財に指定)は、ガイダンス施設である「八戸市埋蔵文化財センター 是川縄文館」に収蔵展示されています。

是川石器時代遺跡
漆器や木材などが出土した捨て場/JOMON ARCHIVES(八戸市教育委員会撮影)
是川石器時代遺跡
捨て場からみつかった赤色漆が塗られた木製容器/JOMON ARCHIVES(八戸市教育委員会撮影)
是川石器時代遺跡
名称 是川石器時代遺跡/これかわせっきじだいいせき
所在地 青森県八戸市是川中居3-1
関連HP 八戸市埋蔵文化財センター是川縄文館公式ホームページ
電車・バスで JR八戸駅から南部バスで是川縄文館下車
ドライブで 八戸自動車道八戸ICから約3.7km
駐車場 八戸市埋蔵文化財センター是川縄文館駐車場(無料)を利用
問い合わせ 八戸市埋蔵文化財センター是川縄文館 TEL:0178-38-9511/FAX:0178-96-5392
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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