啄木小公園

函館市を走る国道278号沿いの大森海岸にある公園が啄木小公園。明治40年に「石をもて追はるるごとく」、故郷・渋民（岩手県）を離れた石川啄木は、5月から函館大火に遭う9月まで、函館・青柳町に居を構えています。大森海岸は、その啄木がよく散歩し、歌に綴った場所で、石川啄木の座像と歌碑が建てられています。

石川啄木が愛した大森海岸の海辺にある公園

啄木小公園は、かつて大きな砂山（自然砂丘）があった日乃出町の波打ち際にあり、「砂山の砂に腹這（は）い初恋の痛みを遠く思ひ出づる日」「潮かをる北の浜辺の砂山のかの浜薔薇よ今年も咲けるや」と、啄木もこの砂山を歌っています。
浜薔薇はハマナスのこと。

有名な｢東海の小島の磯の白砂にわれ泣きぬれて蟹とたはむる｣（『一握の砂』）も大森浜と推測されています。

石川啄木の座像の背景は、立待岬方面や函館山を眺望する絶好のポイントで、ベンチも置かれ休憩にも最適。像は稚内公園の「氷雪の門」、札幌大通公園「泉の像」、釧路幣舞橋の「冬の像」、旭川市常磐公園「風雪の群像」でも知られる札幌生まれの彫刻家・本郷新（ほんごう しん）の作品で、昭和33年の制作。

石川啄木一族の墓

2018年4月2日

立待岬

2018年4月2日