唐招提寺・芭蕉句碑

唐招提寺を開山した唐僧・鑑真和上は、大唐国揚州の高僧で、聖武天皇の招きに応じ、苦難の末754(天平勝宝6)年に渡来。その間12年を要し、両目を失明するという苦難も乗り越え東大寺に到着。この鑑真和上像に対面した芭蕉は「若葉して御目の雫拭(しずくぬぐ)はばや」の句を詠んでおり、唐招提寺にはその句碑が立てられています。

貞享5年4月8日に松尾芭蕉が参詣

唐招提寺・芭蕉句碑は、東室北側の旧開山堂(現在は聖武天皇坐像を奉安)の手前にあり、「若葉して御目の雫拭はばや」の句が記されています。

1688(貞享5)年4月8日、芭蕉はここで、「若葉して御目の雫拭はばや」の句を詠んでいるのです。
現代語に訳せば、「みずみずしい若葉で、盲目の鑑真上人の御目もとの雫を、拭ってさしあげたい」の意。
俳諧紀行『笈の小文』(おいのこぶみ)に記された句で、その前書に、「招提寺鑑真和尚来朝の時、船中七十餘度の難をしのぎたまひ、御目のうち塩風吹入て、終に御目盲させ給ふ尊像を拜して」とも記しています。

芭蕉の『笈の小文』は、1687(貞享4)年10月25日に江戸の芭蕉庵を出立。東海道の鳴海(なるみ=現・名古屋市緑区)、豊橋、渥美半島、伊良湖岬、熱田神宮、故郷の伊賀上野(ここで年越し)、さらに伊勢、吉野山、高野山、和歌浦、1688(貞享5)年4月8日に奈良で潅仏会の参拝後、唐招提寺など見物。大和八木、誉田八幡から大坂(現・大阪)と巡り、4月20日、須磨、明石を訪れ、須磨に一宿したところで終わっています。

ちなみに4月8日は、お釈迦様の誕生日。
「灌仏の日に生れあふ鹿の子哉」という歌も残しています(現代語訳:灌仏の日にめでたくも生まれた鹿の子だよ)。

唐招提寺は「古都奈良の文化財」として世界遺産に登録。

唐招提寺・芭蕉句碑
名称 唐招提寺・芭蕉句碑/とうしょうだいじ・ばしょうくひ
Toshodaiji Temple,Basho’s Poem Monument
所在地 奈良県奈良市五条町13-46
関連HP 唐招提寺公式ホームページ
電車・バスで JR奈良駅から奈良交通バス六条山行きで17分、唐招提寺下車すぐ。または近鉄橿原線西ノ京駅から徒歩10分
ドライブで 京奈和自動車道木津ICから約7.5km
駐車場 150台/有料
問い合わせ 唐招提寺 TEL:0742-33-7900/FAX:0742-33-5266
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

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