岡田さんのルーツを探せ!

岡田さんには名家が多い。富山城下の中野新町の豪商・岡田家は、岡田屋を号して米穀商や金融業を営んだ。能登国珠洲郡片岩村(珠洲市)の旧家の岡田家。伊勢国四日市(三重県四日市市)の旧家の岡田家。この岡田家の一族にはイオンの創業者の岡田卓也はこの一族。下野国都賀郡栃木(栃木県栃木市)の豪商にも岡田家があり、その屋敷は岡田記念館となっていて見学もできる。

岡田さんのルーツは栃木と寒川町に

相模国高座郡岡田(神奈川県高座郡寒川町岡田)を発祥とするこの栃木市の岡田家は、第30代敏達(びだつ)天皇の末裔といわれ、当主は代々嘉右衛門を襲名している(家伝では京都三条の出で、江戸時代慶長の頃、下野国に帰農したという)。もちろん現在の岡田家にも第26代の「岡田嘉右衛門」の表札がかかっている。この地が当主の名を取って嘉右衛門新田(現嘉右衛門町)と呼ばれていることにも納得。元禄元年(1688年)から屋敷内に陣屋が設けられたほどの広い岡田家は、岡田さんなら一度は見学したい場所だ。

さてさて、その栃木の名家・岡田家のルーツと目されるのが寒川町岡田。寒川町役場の東側に広がる岡田地区が古代の岡田郷、近世の岡田村にあたる。残念ながら岡田さん由来のものは見つからないが、菅谷(すがや)神社は、旧岡田村の鎮守。一帯は古代から拓けた地だけに、岡田さんなら一度足を伸ばす価値がある。

福島県相馬市も岡田さんの重要なルーツ

栃木市の後は、福島県南相馬市に足を延ばしていただきたい。勇壮な『相馬野馬追』で知られる南相馬市小高では、まず相馬氏の一門筆頭である相馬岡田氏の館跡を見学しよう。高台に造られた館は、その遺構がはっきりと残っていて、現在は初発(しょはつ)神社の境内になっている。

相馬野馬追
相馬野馬追

慶長16年(1611)に相馬氏が中村城に移るまで、岡田氏はここを居城としていたという。下総国豊田郡岡田を発祥とする桓武平氏千葉氏流相馬氏族の岡田氏は、相馬胤村(たねむら)の二男・相馬胤顕(つねあき)が陸奥国行方郡岡田村を与えられ、室町時代後期に相馬姓を改め岡田姓を名乗ったとか。相馬野馬追のときに、中村城の岡田神社(妙見神社)への参拝も含めて訪れたい場所である。

下総国の隣り常陸国も重要な岡田氏のルーツの一つで、久慈郡岡田を発祥とする清和源氏佐竹氏流の岡田氏がいる。他に、讃岐国寒川郡岡田を発祥とする岡田臣(おみ)の末裔、信濃国筑摩郡岡田を発祥とする清和源氏義光流の岡田氏、伊予国伊予郡崗田郷を発祥とする河野氏族の岡田氏などがいる。さらに、尾張国愛知郡の星崎城を本拠とする清和源氏山田氏流の岡田氏の分かれは美濃国に移り、のち家康に仕えて5000石の旗本となる。

岡田さんのルーツは北九州にも

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北九州市の岡田宮

岡田という神社は、相馬の岡田神社以外に、長野県松本市の岡田護国神社、 福岡県北九州市八幡西区の岡田神社などが有名どころだ。北九州市の岡田宮は岡田町に鎮座し、近くには岡田公園もあるからまさしく岡田さんのルーツのひとつ。

城跡は島田市の岡田城跡、佐渡の岡田城など。

現在岡田姓は中国、四国に多く、広島、香川で大姓11位、徳島12位、兵庫13位、奈良15位などとなっている。

相馬岡田氏の家紋は亀甲に花菱、栃木市の岡田家は車前草(おおばこ)。他に岡田氏の家紋は、州浜、三つ鱗、三本扇、方喰(かたばみ)桔梗、桐、蛇の目、五枚笹、十曜、繋ぎ五つ星、久留子など。

 

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