城山(伊江島タッチュー)

城山(伊江島タッチュー)

沖縄県国頭郡伊江村、本部半島の北西9kmの洋上に浮かぶ伊江島の最高点、標高172.2mの岩山が、城山(ぐすくやま)。島にある唯一の山は、巨大な岩山で、遠くからも眺められるので伊江島タッチュー(タッチュー尖っているもの)と称され、航海の目印とされてきました。

伊江島の最高点は世界的にも不思議な岩山

城山(伊江島タッチュー)
伊江島空撮PHOTO MAP
城山(伊江島タッチュー)
海上から眺めた城山(伊江島タッチュー)

城山は、プレートの移動による圧力で隆起した層が泥層と琉球石灰岩を突き破って形成された岩山で、世界で唯一というオフスクレープ現象(古い岩盤が新しい岩盤に潜り込む途中で一部が剥がれて新しい岩盤の上に乗る現象)によって誕生した珍しいものです。

城山(伊江島タッチュー)の南山腹の城山登山口駐車場からコンクリートの階段(合計291段)を15分〜20分ほど登ると山頂に到達できます。
城山登山口の東側には、航海の安全と健康あるいは豊作を祈願する城山御嶽(ぐすくやまうたき)があり、島の聖域になっています。

太平洋戦争では日本軍の陣地が城山に築かれていたため、西崎、大口(ウプグチ)海岸に上陸したアメリカ軍は火炎放射器などで攻撃を加えながら城山に向けて進軍。
伊江国民学校(当時は日本軍が接収/現・伊江中学校の敷地)周辺の学校台地はアメリカ兵が「血ぬられた丘」と形容するほどの激戦地と化したのです。
忠魂碑が設置され、また戦時中に平良隊の壕があった地には芳魂之塔が立っていて平和な島の暗い時代を今に伝えています。

城山(伊江島タッチュー)

昭和28年に琉球新報社が選定した「新沖縄八景」の第1位

昭和28年、琉球新報社が読者に募集した「新沖縄八景」。
8月25日に読者投票開始、9月26日に投票が締め切られ、見事に1位に輝いたのが城山(伊江島タッチュー)でした。
城山以下、8位までは以下のとおりです(市町村名は現在の名前になっています)。
葛飾北斎が那覇周辺を描いた『琉球八景』とは異なります。

  • 1位 伊江城羨望(伊江島/伊江村)
  • 2位 芽打バンダ(沖縄本島/国頭村)
  • 3位 慶良間海峡、(座間味島/座間味村、渡嘉敷島/渡嘉敷村)
  • 4位 羽地内海、(沖縄本島/名護市・今帰仁村)
  • 5位 塩屋湾、(沖縄本島/大宜味村)
  • 6位 比謝川(ひじゃがー)河畔(沖縄本島/嘉手納町)
  • 7位 伊波城跡(沖縄本島/うるま市)
  • 8位 山巓毛(さんてぃんもー)(沖縄本島/糸満市)
城山(伊江島タッチュー)
名称 城山(伊江島タッチュー)/ぐすくやま(いえじまたっちゅー)
所在地 沖縄県国頭郡伊江村東江上
関連HP 伊江村公式ホームページ
電車・バスで 伊江港から伊江村内バス真謝行きで3分、知念商店前下車、徒歩12分
ドライブで 伊江港から約2.5km。伊江島空港から約4km
駐車場 城山登山口駐車場(10台/無料)を利用
問い合わせ 伊江村商工観光課 TEL:0980-49-2001
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
湧出(湧出展望台)

湧出(湧出展望台)

沖縄県伊江村(いえそん)、沖縄本島の北部、本部半島の西に浮かぶ伊江島のかつての水源が湧出(わじー/わじぃ)で湧水源の高台に湧出展望台(わじーてんぼうだい)があります。伊江島は琉球石灰岩からなるカルスト地形で知られており、河岸段丘が発達。その

ニャティヤ洞

ニャティヤ洞

沖縄県伊江村、伊江島の南西の海岸にある琉球石灰岩が浸食された巨大な洞(ガマ)がニャティヤ洞(にゃてぃやがま)。沖縄戦の時に防空壕としても利用され、多くの人を収容したので「千人洞」(せんにんがま)とも呼ばれている。ユタ(沖縄神道独特の巫女)信

伊江ビーチ(伊江村青少年旅行村)

伊江ビーチ(伊江村青少年旅行村)

沖縄県国頭郡伊江村、本部半島の北西9kmの洋上に浮かぶ伊江島の東端、汀線1kmの白砂のビーチが、伊江ビーチ。海岸沿いに続くモクマオウの林の中にはキャンプ場、宿泊施設などを備えた伊江村青少年旅行村があり、サイクリングコースも整備されています。

米軍伊江島補助飛行場滑走路跡地

米軍伊江島補助飛行場滑走路跡地

沖縄県国頭郡伊江村、本部半島の北西9kmの洋上に浮かぶ伊江島の西部、島の北東から南西にかけて縦断しているのが、米軍伊江島補助飛行場滑走路跡地。伊江島には、伊江島空港のほか、跡地を含めて4本の滑走路があり、そのひとつが米軍伊江島補助飛行場滑走

GIビーチ

GIビーチ

沖縄県国頭郡伊江村、本部半島の北西9kmの洋上に浮かぶ伊江島の西部にある穴場のビーチが、GIビーチ。GI(ジーアイ)とはアメリカ兵のことで、かつて米軍将校の専用ビーチだったことが名の由来です。手つかずの自然と美しい砂浜が特徴ですが、伊江ビー

公益質屋跡

公益質屋跡

沖縄県国頭郡伊江村(いえそん)、伊江島の市街地にある戦争遺跡が、公益質屋跡。昭和4年12月、世界大恐慌にあえぐ伊江村の財政や村民の生活を救うため、政府の融資を受けて設立された村営の金融機関(質屋)で、沖縄戦の戦火をくぐり抜けた貴重なコンクリ

リリーフィールド公園

リリーフィールド公園

沖縄県国頭郡伊江村、本部半島の北西9kmの洋上に浮かぶ伊江島のカナン崎展望台近くにあるのが、リリーフィールド公園。4月中旬〜ゴールデンウィーク頃、100万輪というテッポウユリが咲き誇る公園で、開花期には『伊江島ゆり祭り』も開催され、伊江港か

伊江港ターミナル(伊江島はにくすに)

伊江港ターミナル(伊江島はにくすに)

沖縄県国頭郡伊江村、本部半島の北西9kmの洋上に浮かぶ伊江島の玄関港が、伊江港。複合施設の伊江港ターミナル(伊江島はにくすに)があり、伊江島村営フェリーのチケット売り場のほか、物産センター、郷土資料館、食堂などが備わっています。伊江島村営フ

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!

よく読まれている記事

こちらもどうぞ