伊藤博文の墓

伊藤博文の墓

東京都品川区西大井6丁目、JR西大井駅近くにあるのが、伊藤博文の墓(いとうひろぶみのはか)。高さ2mほどの円墳の前に鳥居を配した神式の墓所で、脇には伊藤博文の継妻(後妻)で女流歌人としても知られる伊藤梅子の墓もあります。毎年11月上旬に開催される文化財ウィークに数日限定で公開されています。

国葬後、大井村にあった別邸近くの伊藤家墓所に埋葬

天保12年9月2日(1841年10月16日)、周防国熊毛郡束荷村(現・山口県光市)の百姓・林十蔵の長男として生まれた伊藤博文は、足軽・伊藤弥右衛門の養子となり、吉田松陰の松下村塾に入門(身分が低かったことから、敷居をまたぐことは許されず、戸外で立ったまま聴講)。
幕末に長州五傑のひとりとしてイギリスに渡航、高杉晋作とともに倒幕の挙兵を行ない、明治維新後に英語に堪能なことを活かして初代兵庫県知事(官選)など明治新政府の要職に就いています。

木戸孝允(明治10年5月26日、病没)、西郷隆盛(明治10年9月24日、西南戦争で戦没)、大久保利通(明治11年5月14日、紀尾井坂の変で暗殺)の維新の三英傑が没した後、明治政府の中心的なリーダーとなり、急進的な大隈重信が下野した後の明治18年、44歳2ヶ月という若さで初代内閣総理大臣に任命されています(現在に至る歴代総理大臣の中で、最年少)。
2代総理大臣・黒田清隆を経て、日清戦争時の第二次内閣、さらに第三次内閣、立憲政友会を創立し、初代総裁を務めた第四次内閣を経て、明治38年、初代韓国統監に(ただし伊藤博文自体は「日本は韓国を合併するの必要なし」と演説するなど、韓国併合反対の立場で、「韓国の富強の実を認むるに至る迄」の暫定的な処置と考えていました)。

韓国統監を辞任した直後の明治42年10月26日、ハルビン駅で安重根(アン・ジュングン)に拳銃で暗殺されています。
明治42年11月4日に国葬が行なわれ、伊藤家墓地に埋葬されています。

明治40年、大日本帝国憲法(明治22年2月11日公布)制定の立役者であった伊藤博文に対し、明治天皇より元赤坂仮皇居御会食所(日本帝国憲法審議の場)が下賜されたため、当時、高台から富士山を眺めた大井村(現・大井3丁目)に土地を購入、明治41に移築を完了し「恩賜館」と名付け、隣接して別邸を構えました。
「恩賜館」は、大正7年に遺族が明治神宮へ献納し、現在は「明治記念館」(本館)として再生しています。
別邸は、平成10年に解体され、その一部は生誕地である山口県萩市に移築・保存、跡地はマンションに変貌。
かつて一帯は伊藤町という町名でしたが、現在は西大井となり、品川区立伊藤学園(小中一貫校)にその名を残しています。

伊藤博文の墓
名称 伊藤博文の墓/いとうひろぶみのはか
所在地 東京都品川区西大井6-10-18
関連HP しながわ観光協会公式ホームページ
電車・バスで JR西大井駅から徒歩3分
駐車場 なし/周辺の有料駐車場を利用
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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