200年以上にわたり伝承されてきた農村歌舞伎で、静岡県の無形民俗文化財に指定される『横尾歌舞伎』。毎年10月の第2土、日に定期公演が開催されています。
地元の氏神様に奉納する歌舞伎に由来
横尾歌舞伎は静岡県浜松市北区引佐町の横尾・白岩地区に江戸時代より連綿と伝えられ、毎年公演されている農村歌舞伎。
役者、義太夫(浄瑠璃の語り手)、三味線、お囃子、振り付け師、衣装の着付け、床山、化粧 大道具小道具すべてを横尾歌舞伎保存会の会員により運営されています。
歌舞伎浄瑠璃本、カツラ、衣装、大道具、小道具も自前で、保存会の熱意により、後世に伝えられているのです。
質の高い技を若者に引き継ぐため、小学生が参加する横尾歌舞伎少年団が結成され、小中学生によって構成される少年少女三味線教室でプロの師匠を招いたりと積極的な活動が評価され、「第31回サントリー地域文化賞」を受賞し、内閣府の「平成23年度子ども若者育成・子育て支援功労者表彰」を受けています。
創始は定かでありませんが、横尾地区の氏神・八柱神社、白岩地区の氏神・六所神社の祭礼に奉納されるかたちで、余興として上演されてきました。
江戸時代には横尾村=井伊谷(いいのや)近藤氏、白岩村=金指(かなざし)近藤氏と、村を治める領主が異なっていましたが、白岩地区に残る寛政年間(1789年〜1801年)の『御定書』に「神事の節又は盆中に『狂言』、『あやつり』、或いは『にわか』等決して致すまじき事」と記されていることから、江戸時代後期にはすでに盛んに行なわれていたことがわかります。
以前は別々に上演されていましたが、明治44年に青年団が統合されたことにより、合同で開催に。2日にわたって行なわれるのは、別々に奉納歌舞伎が演じられていた時代の名残とか。
現在の定期公演は「開明座 横尾歌舞伎資料館」で行なわれています(普段は、歌舞伎の資料を展示)。
定期公演では大勢の観客で超満員となる「開明座」。舞台は観客の投げる花包(おひねり)で真っ白になるのが特徴です(子供たちが登場の演目ではさらに花包が増大)。
毎年10月の定期公演のほかに、2月には横尾歌舞伎少年団の公演もあり、横尾・白岩地区の少年少女は常に質の高い演技を披露するために日夜腕を磨いているのです。
横尾歌舞伎定期公演|浜松市 | |
開催日 | 10月第2土曜、日曜 |
開催時間 | 16:00〜20:00 |
料金 | 無料 |
所在地 | 静岡県浜松市北区引佐町横尾899-1 |
場所 | 開明座 横尾歌舞伎資料館 |
関連HP | 浜松市公式ホームページ |
ドライブで | 新東名高速道路浜松いなさICから約7.5km |
駐車場 | 引佐協働センターほか臨時駐車場あり |
問い合わせ | 引佐協働センター TEL:053-542-1111 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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