行燈山古墳(崇神天皇陵)

行燈山古墳(崇神天皇陵)

奈良県天理市の柳本古墳群にある前方後円墳が行燈山古墳(崇神天皇陵)。墳丘長は242mという全国16位という巨大な古墳で、実際の被葬者は定かでありませんが、宮内庁は「山邊道勾岡上陵」(やまのべのみちのまがりのおかのえのみささぎ)として第10代・崇神天皇陵に治定しています。

前方後円墳3基の陪塚を従えるヤマト王権の大王墓

行燈山古墳(崇神天皇陵)
行燈山古墳(崇神天皇陵)の拝所

古墳時代前期(4世紀前半頃)の築造で、江戸時代末期に柳本藩(やなぎもとはん=大和国式上郡・山辺郡・宇陀郡を領有した藩)による修陵事業が行なわれています。
周濠を含めた全長は360mにも及ぶ巨大な墳墓で、宮内庁書陵部の調査では円筒埴輪、土師器、須恵器などが出土しています。

さらに古墳の西側には南アンド古墳(全長65m)、アンド山古墳(全長120m)、天神山古墳(103m)と、陪塚(ばいちょう・王墓に伴う従者の墓)が3基築かれています。
陪塚も地方の豪族クラスの規模を誇る前方後円墳であることから、行燈山古墳の被葬者はかなりの権力を有した大王だということがわかります。

江戸時代後期には、蒲生君平が『山陵志』で景行天皇陵に比定し、幕末に谷森善臣が『山陵考』で崇神天皇陵に比定して、明治時代に宮内省(現・宮内庁)それを踏襲して崇神天皇陵だとしています。

柳本古墳群では最大規模の渋谷向山古墳(景行天皇陵/墳丘長300m)、さらに箸墓古墳(はしはかこふん)、西殿塚古墳、外山茶臼山古墳、メスリ山古墳とともにヤマト王権の大王墓と推測されています。

平成29年2月24日には、考古・歴史学15学会代表による立ち入り調査が行なわれています。

天皇陵として管理されているため、内部に入ることはできませんが、宮内庁により拝所、駐車場、トイレが設けられています。
周濠の外堤は、山の辺の道を歩く「山の辺の道(南)コース」、「卑弥呼の里コース」の一部となっており、絶好の休憩場所として親しまれています。

「山の辺の道(南)コースを使えば渋谷向山古墳(景行天皇陵)へ徒歩10分、「卑弥呼の里コース」を歩けば大量の鏡が発見された黒塚古墳まで徒歩10分の行程です。

行燈山古墳(崇神天皇陵)
国土交通省 国土画像情報(カラー空中写真)を基に作成

 

行燈山古墳(崇神天皇陵)
名称 行燈山古墳(崇神天皇陵)/あんどんやまこふん(すじんてんのうりょう)
所在地 奈良県天理市柳本町
関連HP 宮内庁公式ホームページ
電車・バスで JR柳本駅から徒歩15分
ドライブで 西名阪自動車道天理ICから約8.3km‎
駐車場 10台/無料
問い合わせ 宮内庁書陵部畝傍陵墓監区事務所 TEL:0744-22-3338
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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