大分県豊後大野市緒方町を流れる奧岳川の峡谷が滞迫峡(たいざこきょう)。豊後大野市は、9万年前の阿蘇火山の4回目の巨大噴火による火砕流が冷えて固まった溶結凝灰岩の台地ですが、その台地を奧岳川が浸食して形成した高さは70mに及ぶ溶結凝灰岩の絶壁。おおいた豊後大野ジオパークのジオサイトになっています。
阿蘇カルデラ起源の溶結凝灰岩が浸食された峡谷
溶結凝灰岩の絶壁には柱状節理が発達し、迫力ある景観を生み出し、谷底には祖母山火山岩類(1500万年前の火山活動)の凝灰角礫岩が露出しています。
溶結凝灰岩の壁は、縦長に柱状のひび割れが入っているため、気の遠くなるような長い歳月をかけて柱が倒れるように壊れ、垂直に切り立った崖を生んだのです。
奥岳川に架かる奥嶽橋から峡谷を眺望できるほか(路側に歩道はありません)、大分県道7号(緒方高千穂線)から川岸に下った駐車場から谷床に降りる階段も整備されています。
両岸が迫った峡谷は、やはり阿蘇カルデラ起源の溶結凝灰岩が浸食された高千穂峡(宮崎県高千穂町)とよく似ていますが、まだまだ滞迫峡は、穴場的な存在。
祖母・傾・大崩ユネスコエコパーク(祖母・傾・大崩生物圏保存地域/ユネスコエコパーク=生態系の保全と持続可能な利活用の調和・自然と人間社会の共生が目的の生物圏保存地域)の見どころのひとつになっています。
周辺には、溶結凝灰岩の台地が形成するダイナミックな景観が多数あるので、ぜひ周回することをおすすめ。
大野川と奥岳川の合流点にそびえる絶壁(崖の下半分は阿蘇火山の3回目の巨大噴火の火砕流、上半分が4回目の巨大噴火による火砕流)をJR豊肥本線のトンネルが抜ける鉄道撮影の人気ポイント「岩戸の景観」、「東洋のナイアガラ」と呼ばれる原尻の滝、そして沈堕の滝(ちんだのたき)が豊後大野ジオパークのジオサイトになっています。
また、奥岳川に架かる2つの石造アーチ橋(かつての森林鉄道の橋)の轟橋・出会橋の周囲にも柱状節理が発達しています。
滞迫峡 | |
名称 | 滞迫峡/たいざこきょう |
所在地 | 大分県豊後大野市緒方町滞迫 |
電車・バスで | JR緒方駅からタクシーで20分 |
ドライブで | 東九州自動車道大分ICから約54km |
駐車場 | あり |
問い合わせ | ぶんご大野里の旅公社 TEL:0974-27-4215 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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