山下さんのルーツを探せ!

「裸の大将」で知られる画家・山下清は、本名は大橋清治で、残念ながら山下姓ではない。逆に落語家の柳家金語楼は、本名・山下敬太郎で山下さんで東京市の生まれ。「マレーの虎」といわれた陸軍大将・山下奉文(やましたともゆき)は、高知県長岡郡大杉村(現大豊町)出身。
俳優・タレントの山下真司は山口県下関市出身。ジャズピアニストの山下洋輔、シンガーソングライター・山下達郎はともに東京都出身。NEWSの元メンバー・山下智久は千葉県の出だ。
このなかでルーツのヒントとなるのは山P(やまぴー)の千葉県。

山下さんのルーツの筆頭は南房・館山に

安房国平群(へぐり)郡山下(平群郡は古代の郡名。江戸時代は平郡=現在の館山市山下集落、南房総市山下)を発祥とする山下氏の流れに、滝沢馬琴の『南総里見八犬伝』に山下定包(さだかね)という名前で登場する山下定兼がいた。当時、群雄割拠の安房郡を領していたのが神余(かなまり)氏なのだが、その神余景貞は家臣である山下定兼の謀叛にあい、神余氏は滅びる。その後、神余氏の領地を奪った山下定兼は安房郡を山下郡と改めるほどの悪役ぶりだったので、八犬伝の発端となる人物のキャラクターとしても最適だったのであろう。
千葉県館山市神余の神余小学校北東に神余氏や山下氏の居城であった神余城跡(かなまりじょうせき)があり、巴川の対岸、神余小学校のすぐ北西側には山下定兼の居館であった山下城の跡がある。山下集会所の裏の尾根筋なので山下集会所を目印にアプローチを。まさに山の下(ふもと)という感じだ。

愛知県岡崎市に山下さんのルーツが

安房国(千葉県南部)以外にも山下さんはさまざまな場所から発祥している。
信濃国奥郡(西筑摩郡)山下を発祥とする山下氏は清和源氏木曽義仲の後裔・義綱を祖とし、その子綱勝は三河に移り、やがて、松平家家臣となった。また、下野国の足利氏の臣山下義道は三河に移り、子の山下義材(やましたよしき)が保久城(ほっきゅうじょう/愛知県岡崎市保久町)を築城、その治世は230年間も続くが、寛正2年(1461)、円川合戦で山下庄左衛門が松平信光に滅ぼされている。県道331号沿いの下山小学校敷地隅に保久城跡がある。下山小学校北の万福寺近くに保久城主・山下家墓所(鎌倉から室町時代の墓地、個人所有)もあるので中京圏の山下さんのパワースポットに違いない。

世界遺産・白川郷も山下さんの大切なルーツ

また、古代には葛城氏より起こった山下氏がいる。甲斐国には甲斐国造族・三枝直(さえぐさあたい)の後裔や、武田源氏浅利族の山下氏が起こり、下野国には藤原秀郷流佐野氏族の山下氏が、豊後国には大友氏流の山下氏が。他に、豊前の宇都宮氏族、大隈の肝付(きもつき)氏族、播磨の赤松氏族などがいる。河内・美濃・薩摩各地の名族である山下氏も知られている。

山下氏関係の城としては、岐阜県大野郡白川村荻町に萩町城跡がある。城は合掌造りの集落である世界文化遺産・白川郷を見下ろす高台にある。庄川の東岸で西へ突き出した尾根の先端に築かれていて、現在は白川郷を望む展望台としても最適の場所だ。この萩町城は内ヶ島家家老で剛の者として知られた山下氏勝の居城。徳川家康に仕え、小田原の役に先鋒を務めている。内ヶ島の滅亡後に山下氏勝は徳川義直に仕え、名古屋城築城や城下町整備などに功績をあげた。ちなみに清洲城を城下町ごと名古屋に引っ越した大事業を清洲越しと称しているが、この移転計画も山下氏勝のアイデアだという。白川村では大河ドラマの主人公になり得る人物としてPRしている。山下氏勝の墓は千種区平和公園の法華寺墓地にある。

荻町城跡

白川郷を眺める展望台にもなっている荻町城跡

また、兵庫県川西市には向山と谷を隔てた城山からなる山下城跡があり、岐阜県高山市一ノ宮町山下の山下城跡と共にそれぞれ歴史上の逸話を残している。

山下という神社では、長野県大町市社(やしろ)字北野の山下神社や石川県加賀市大聖寺に加賀神明宮(山下神社)がある。
寺としては、河内六大寺(河内国にあった智識寺、山下寺、大里寺、三宅寺、家原寺、鳥坂寺の古代仏教寺院の総称)の一つ山下寺(大阪府柏原市)があるが、古代寺院のため寺跡だけである。

山下姓は九州(鹿児島で大姓2位・長崎6位・宮崎10位)や四国(香川4位)に多く、東北、関東には少ない。山下と書いて、「やまのした」とか「やまもと」と読む場合もある。

家紋は、四つ目結、雪持笹、三つ扇、切り竹笹、雁金、左三つ巴、二つ引両、井筒、釘抜、上り藤など。
信濃の山下氏は、井筒、左三つ巴、雪持笹、二つ引両。甲斐の山下氏は三つ扇、左三つ巴。ここからもルーツをたどることができる。

 

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プレスマンユニオン編集部

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