熊本県人吉市矢岳町にあるJR肥薩線(ひさつせん)の駅が矢岳駅(やたけえき)。標高536.9m、肥薩線の最高所の駅。明治42年11月21日、九州を縦貫する鹿児島本線の一部として鉄道院が開設した歴史ある駅で、往時の駅が現存、経済産業省の近代化産業遺産に認定されています。
宮崎県境に位置する肥薩線最高所の駅
加久藤カルデラの外輪山のひとつ、矢岳山。
矢岳山を貫く矢岳第一トンネル(宮崎県えびの市)が近くにあることが駅名の由来です。
大畑駅〜矢岳駅間は、九州縦貫鉄道として(さらには青森駅までを結ぶ、日本列島縦断の鉄道路線)、鹿児島本線開通にあたっての最大の難所となった場所です。
大畑駅(294m)と矢岳駅(537m)との高度差243mは、直径600mのループ線とスイッチバック、さらに最大33.3‰という急勾配で克服しています。
それでも、あまりの難所のために、鹿児島本線は八代駅〜 川内駅〜鹿児島駅に変更され、昭和2年10月17日からは肥薩線になっているのです。
昭和47年に構内にSL展示館開設され、現在、D51 170が展示されています。
かつて展示されていた58654(8620形)は、現役に復帰。
この展示されたSLと、矢岳駅の駅舎は、経済産業省の近代化産業遺産「九州南部における産業創出とこれを支えた電源開発・物資輸送の歩みを物語る近代化産業遺産群」(南九州近代化産業遺産群)、さらに「全国に遍く人と物を運び産業近代化に貢献した鉄道施設の歩みを物語る近代化産業遺産群」に認定されています。
ちなみに、矢岳第一トンネルと矢岳第二トンネルの間からの景観は、日本三大車窓のひとつ「矢岳越え」で、加久藤カルデラ越しに霧島連山とえびの高原の絶景を眺望。
矢岳駅 | |
名称 | 矢岳駅/やたけえき |
所在地 | 熊本県人吉市矢岳町 |
関連HP | JR九州公式ホームページ |
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