竹内さんのルーツを探せ!

大姓54位の竹内さんは、全国に29万人ほどが暮らし、シェアは0.23%ほど。竹の内側という地形姓の場合には竹之内、竹ノ内だったりもします。また、古代の豪族・武内宿禰(たけうちのすくね)の末裔を称する人もいて、そのルーツも各地にあります。

竹内(武内)さんのルーツは武内宿禰!?

タケウチさんには竹内さんもいれば、武内さんもいて、しかも竹内もタケウチと読んだり、タケノウチと読んだりもします数的にはタケウチと読む竹内さんが圧倒的に多く、そのルーツは地名から来たものと、神功皇后(じんぐうこうごう)の新羅出兵(『古事記』、『日本書紀』記載の朝鮮半島への出兵)で活躍した豪族・武内宿禰(たけうちのすくね)の裔(えい)と称するものがあります。

竹内(武内)氏の祖で孝元天皇(こうげんてんのう=歴史的には実在性に乏しいとされています)の曽孫(そうそん・ひまご)にあたる武内宿禰(たけうちのすくね)は、景行天皇に始まって成務、仲哀、応神、仁徳まで五代の天皇へ244年間に渡って仕え、283歳とも360歳ともいう長寿を全うしたという怪物的な存在。

そんな記録的な長寿を誇るだけあって、この武内宿禰は竹内氏だけでなく、紀・巨勢(こせ)・平群(へぐり)・葛城・蘇我氏などの中央諸豪族の共通の祖であり、歴史的には武内氏族の嫡流である葛城氏が失脚した後に、それに代わるように台頭してきたのが蘇我氏でした。

武内宿禰は、島根県松江市八幡町の平浜八幡宮(平濱八幡宮)の境内社で、通称「たけおっつぁん」と呼ばれる武内神社に祀られています。
ほかにも、宇倍神社(うべじんじゃ/鳥取県鳥取市)、高良大社(こうらたいしゃ/福岡県久留米市)、氣比神宮(けひじんぐう/福井県敦賀市)、そのほか多くの神社・八幡宮などで延命長寿の神とし、不思議な霊能力を発揮する武運長久、厄除けの神として武内宿禰は祀られています。

和歌山県和歌山市松原には、誕生の産湯の水を汲んだ井戸といわれる武内宿彌誕生井と武内神社があり、佐賀県武雄市の武雄神社も、やはり武内宿彌ゆかりの地となっています。

武内宿彌の墓は、奈良県御所市室の室宮山古墳が墳墓と伝えられていますが、築造時期から葛城襲津彦だと推測されています。

『日本書紀』、『古事記』に記される伝説的な人物の武内宿彌ですが、実在を疑問視する歴史学者も多いのですが、ヤマト王権内の豪族という可能性もあります。

武内神社・武内宿禰誕生井

武内神社・武内宿禰誕生井

神功皇后の新羅遠征(三韓征伐)に従軍し、景行、成務、仲哀、応神、仁徳の天皇に仕えた(200年以上生きたことになります)という伝説上の官吏が武内宿禰(たけのうちのすくね)。和歌山には伝説が数多く残され、武内宿禰が産湯を使ったとされる武内宿禰誕

室宮山古墳

室宮山古墳

奈良県御所市にある巨大な前方後円墳が室宮山古墳(むろみややまこふん)。墳丘長も200mを超える墳丘長238mで、全国の巨大古墳TOP20にランクインしています(国内18位の巨大古墳)。5世紀初頭の築造で、周濠が築かれ、周堤には陪塚の室ネコ塚

全国各地にある竹内さんゆかりの地

大和国(奈良県)の竹内氏は葛下(かつらぎのしも)郡竹内(奈良県葛城市竹内)から発祥し、竹内城を本拠としていました。

公家竹内氏の祖である平賀盛義(源盛義)の裔は、堂上家(公家の中で昇殿を許される家柄)清和源氏の竹内氏であり、同じ堂上家には藤原北家閑院流や村上源氏久我流の竹内氏がいます。

山城国乙訓(おとくに)郡久我荘を本拠とする竹内氏は、久我荘の預所を代々務めたことで知られ、永禄11年(1568年)、公家・竹内季治(たけのうちすえはる)の屋敷は織田信長上洛の際、将軍・足利義昭の御所ともなっていますが、元亀2年(1571年)、織田信長のことを「熟したイチジクの如く木より地上に落ちるだろう」と評したことから逆鱗に触れ、近江国永原(現・滋賀県野洲市永原)で斬首となっています。

美作の竹内氏も竹内季治と同じで京の公家の出で、永生年間(1504年〜1521年)、竹内久盛(たけのうちひさもり=古武道竹内流の開祖)が美作国久米郡垪和(はが)に移り、一之瀬城(岡山県久米郡美咲町)を居城としています。
戦国時代は毛利氏につきましたが、やがて宇喜多直家に敗れて落城、逃れて播磨国三木城の別所長治に仕えています。

一之瀬城は美作国の南西部、旭川の支流大瀬毘(おおせび)川右岸の半独立丘陵に築かれた山城です。

竹内さんは、「屋敷に植えた竹林の内側」という意

ほかに、越中国新川南保竹ノ内を発祥とする竹内氏や、近江国蒲生郡の佐々木氏族の竹内氏、尾張国知多郡の竹内氏、三河国額田郡の竹内氏、さらに清和源氏吉見氏族、清和源氏三河氏族、大内氏族、熊野本宮社家、橘姓・菅原姓の竹内氏など多彩。

千葉県我孫子市(あびこし)布佐にある山車の巡行で知られる竹内神社には武内宿彌も祀られ、島根県鹿足郡吉賀町(かのあしぐんよしかちょう)沢田の指月萩尾城(しづきはぎおじょう)跡の麓にある指月神社には、落城の際自害したという城主・竹内弘時(たけうちひろとき)が祀られています。

さらに、驚くほど古い遺跡としては葛城市の竹内と長尾に広がる「竹内遺跡」(縄文時代後期から歴史時代に至る広範囲な複合遺跡)があり、注目したいところですが、遺跡と竹内氏のルーツとの関係性はありません。

地名姓でもある竹内さんは、「屋敷に植えた竹林の内側」という意。
というわけで、日本全国に竹内という地名が数多くなるので、当然、ルーツも散在することに。

竹内さんは北陸(福井県で大姓16位)から山陰にかけてと、愛知県(19位)、長野県(16位)、四国に多く、武内さんは関東や四国に見る名前です。

家紋は、竹内という苗字からも分かるように竹と笹が多く、九枚笹、笹竜胆、根笹。その他、梅鉢、丸に三つ引両、丸に木瓜(もっこう)、丸に三つ柏、四つ目結、蔦、源氏車、三本扇、五七桐、三つ巴など。

取材・編集協力/札場靖人(家紋と姓名研究家)
人口に関するデータは明治安田生命全国同姓調査による(2018年7月)推計値です

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