別府観光の父と呼ばれる、油屋熊八の言葉に「旅人を懇ろ(ねんごろ)にせよ」があります。これは旅人には親切にという戒(いまし)め。日本有数の観光地として発展してきた温泉観光地・別府の「ねんごろ」な伝統が今に生きる庶民派グルメを、取材班・板倉あつしの目線で紹介します。
別府温泉の庶民派グルメは、ココに注目!
- 別府観光の父・油屋熊八が亀の井旅館を創業したのは、明治44年のこと。大正13年には亀の井旅館を洋式ホテルに改装し、外国人旅行者に対応、そして昭和3年には亀の井自動車(現・亀の井バス)を設立して、日本初の女性バスガイドが乗車する定期観光バスで「地獄めぐり」を始めています。大正時代からの別府温泉の発展は、こうした先進の発想に裏付けられています。庶民派グルメにしても、そうした別府の旅人を懇ろ(ねんごろ)にもてなすという文化に裏付けられ、期待を裏切ることは、まずありません
- 名店の筆頭にあげられる「レストラン東洋軒」ですが、本来なら高級店といいたいところですが、実は価格的には庶民の味方! それでいて伝統の味とサービスが期待できます。これもやはり、別府ならではのこと。
- 昭和レトロな雰囲気のべっぷ駅市場で、テイクアウトで人気の「野田商店」も庶民派ソールフードの筆頭。駅前本町の「一力」も「お客さんに安く味わってもらいたいから」という理由で、改装などにもお金を投じないため、昭和レトロなままの店内に。ここでも、旅人を懇ろ(ねんごろ)にもてなす精神が発揮されています
別府温泉、定番の寄り道ポイント
- 油屋熊八が発案した「別府地獄めぐり」は、現在、海地獄、血の池地獄、龍巻地獄、白池地獄(以上は国の名勝「別府の地獄」)、鬼石坊主地獄、鬼山地獄、かまど地獄の7ヶ所。別府温泉の源泉地帯を巡るもので、まずはこの地獄めぐりを体験しましょう(龍巻地獄には全国に数ヶ所しかない間欠泉も)
「日本古来の温泉地として名高い別府の中でも、独特で多様な色彩・形態の下に湧出する観賞上の価値、名所的・学術的価値の高い泉源である」というのが、国の名勝に指定される理由なので、時間がなければこの4ヶ所を優先して巡ることをおすすめします(国の名勝に指定されるのは、大分県内では「別府の地獄」と耶馬渓の2ヶ所のみ) - 温泉から噴出する高温の蒸気熱を利用した調理法の「地獄蒸し」は、地獄蒸し工房 鉄輪で体験できます。別府八湯のひとつ、鉄輪温泉(かなわおんせん)で江戸時代から用いられていた調理法で、地獄蒸し釜を借りて、販売される食材のセットを購入、98度の温泉蒸気に当て、食材を蒸して味わうもの。
元祖庶民派、素材の味を活かした料理法といえるでしょう - 共同浴場の多い別府ですが、竹瓦温泉はぜひ入浴したい立ち寄り湯。現在の建物は昭和13年の建築で、豪華な唐破風造りの木造で、国の登録有形文化財、近代化産業遺産になっています。
朝夕(6:30~7:30、17:00~18:30)は混雑するので、それ以外の時間に利用しましょう。
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