日本にある100m以上の巨大古墳　全262基紹介

日本全国にある古墳は、なんと16万基、コンビニエンスストアの3倍近い古墳が全国に築かれていることがわかります。現存する100m以上の巨大な古墳は262基。実は戦後、住宅開発、農地開発、土取りなどで100m以上の巨大古墳も姿を消したものも数多く、残された262基は貴重な存在ということに。

発掘調査のできない大王墓（天皇陵）は、被葬者も不確定

262基のうち、日本最大の前方後方墳の西山古墳（奈良県天理市）、日本最大の円墳である富雄丸山古墳（奈良県奈良市）、帆立貝形古墳の男狭穂塚古墳（宮崎県西都市）、双方中円墳の櫛山古墳（奈良県天理市）などを除くと、すべてが前方後円墳。

本格的な前方後円墳として最初に築造されたのは卑弥呼（ひみこ）の墓とも目される箸墓古墳（はしはかこふん／奈良県桜井市）で、3世紀中頃～後半の築造。
以降、ヤマト王権の象徴として畿内に築かれ、それが4世紀に東海、北陸、信濃、甲斐へと進出。
5世紀には東国に伝搬していることから、ヤマト王権の成長に合わせて、王権と連合した地方の首長が競って巨大な前方後円墳を築いたであろうことがよくわかります。

前方後円墳がもっとも数多く築かれた場所は、意外にも房総半島ですが、さほど巨大なものはなく、中型から小型の古墳が多かったため、その存在はあまり知られていません。

畿内の巨大な前方後円墳は「天皇陵」として宮内庁が管理していますが、天皇という呼称は、天武天皇が壬申の乱に勝利して673年（天武天皇2年）に飛鳥浄御原宮（あすかきよみはらのみや）で即位し、それまで使われていた君主号の「大王」（おおきみ）に代わって「天皇」（てんのう）という称号を用いたのが始まりです。
つまり、古墳時代、ヤマト王権の王は、「大王」を自称していたので、天皇陵ではなく大王の陵（おおきみのみささぎ）とするのが正解です。
しかも、宮内庁の管理する天皇陵（大王墓）は、発掘調査がされていないので、その多くは被葬者が明らかではありません。

最大の大仙陵古墳は世界文化遺産「百舌鳥・古市古墳群」の構成資産で、そのシンボル的な存在で、宮内庁は仁徳天皇の陵墓に治定（じじょう）しています。
長年、仁徳天皇陵といわれてきましたが、現在では教科書などを含めて「大仙陵古墳」としています。

和泉の国の百舌鳥にあって百舌鳥耳原中陵と記される『古事記』や『日本書紀』の記述から、大仙陵古墳は仁徳天皇陵で間違いないとする説（「大阪府立近つ飛鳥博物館」白石太一郎名誉館長など）があるほか、5世紀頃の築造という年代から（仁徳天皇は実在したとしても4世紀の大王）、仁徳天皇の子で允恭天皇とする説（大阪市立大学文学研究科・岸本直文教授）など諸説あり、確定に至っていません。

本にある100m以上の巨大古墳　全262基